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09月12日-03号

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  1. いわき市議会 2006-09-12
    09月12日-03号


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    平成18年  9月 定例会           平成18年9月12日(火曜日)議事日程 第3号 平成18年9月12日(火曜日)午前10時開議 日程第1 市政一般に対する質問        -------------------本日の会議に付した事件         〔議事日程第3号記載事件のとおり〕        -------------------出席議員(40名)     1番  蛭田源治君      2番  菅波 健君     3番  佐藤和美君      4番  森田ミエ子君     5番  松本正美君      6番  鈴木 智君     7番  小野邦弘君      8番  小野 茂君     9番  伊藤浩之君      10番  渡辺博之君     11番  阿部秀文君      12番  佐藤和良君     13番  木田孝司君      14番  酒井光一郎君     15番  岩井孝治君      16番  根本 茂君     17番  大平洋夫君      18番  磯上佐太彦君     19番  古市三久君      20番  塩田美枝子君     21番  溝口民子君      22番  高橋明子君     23番  大間守光君      24番  佐久間 均君     25番  蛭田 克君      26番  遊佐勝美君     27番  矢吹貢一君      28番  阿部 廣君     29番  諸橋義隆君      30番  若松昭雄君     31番  樫村 弘君      32番  安部泰男君     33番  猪狩勝省君      34番  野地登久雄君     35番  鈴木利之君      36番  吉田正登君     37番  藁谷利男君      38番  石井敏郎君     39番  遠藤重政君      40番  永山哲朗君欠席議員(なし)        -------------------説明のため出席した者 市長         櫛田一男君   助役         村田文雄君 助役         高津達男君   収入役        飯本丈夫君 教育委員会委員長   馬目順一君   教育長        砂子田敦博君 代表監査委員     駒木根登志男君 選挙管理委員会委員長 草野一男君 農業委員会会長    草野弘嗣君   総務部長       猪狩正利君 企画調整部長     鈴木英司君   財政部長       陸川克己君 市民生活部長     荒川喜一君   市立病院部長     鈴木正一君 環境部長       上遠野洋一君  保健福祉部長     仲野治郎君 農林水産部長     高木直昭君   商工観光部長     若松勇四郎君 土木部長       高島信夫君   都市建設部長     佐藤 廣君 下水道部長      佐々木 仁君  消防長        木村 清君 教育部長       山田 満君   水道事業管理者職務代理者水道局長                               藍原克美君 監査委員事務局長   渡邊義典君   農業委員会事務局長  坂本公男君 参事(兼)総務課長   新妻秀次君   秘書課長       増子裕昭君        -------------------事務局職員出席者 事務局長       上遠野直人君  次長(兼)総務課長   千葉和夫君 参事(兼)議事調査課長 箱崎紀雄君   議事調査課主幹(兼)課長補佐                               太 清光君 議事係長       遠藤義道君   調査係長       齊藤 学君 主査         千葉恭子君   主査         加藤高明君 主査         早水孝太郎君  事務主任       矢内邦彦君           ------------            午前10時00分 開議 ○議長(藁谷利男君) これより本日の会議を開きます。本日の議事は、配付の議事日程第3号をもって進めます。        ------------------- △日程第1 市政一般に対する質問 △溝口民子君質問 ○議長(藁谷利男君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。配付の質問通告表の順に発言を許します。21番溝口民子君。          〔21番溝口民子君第二演壇に登壇〕 ◆21番(溝口民子君) (拍手)21番日本共産党の溝口民子でございます。皆さん、おはようございます。 私、本日1番目の質問者になりますが、最初からトイレの話題で大変恐縮しております。どうぞ御容赦をいただきたいと思います。 鶴のあし湯への公衆トイレの設置について伺います。 ことしの3月に福島県の元気ふくしま地域づくり交流促進事業として、常磐湯本町三函地区の主要地方道いわき石川線沿いに足湯が完成いたしました。愛称を公募して、鶴のあし湯とされ、ここは早朝から浴衣姿の観光客と地元の方との交流の場ともなっております。夏祭りも行われ、地域のにぎわいづくりや観光誘客の一翼を担っています。しかし、残念ながらこの付近に公衆トイレがありません。近くの常磐支所のトイレを使えるのですが、車の往来が多い県道を横断しなければなりませんからなかなか大変です。昨年2月定例会で、温泉街に公衆トイレを整備するよう要望が出されましたが、その後、このことについてはどのように検討されているのでしょうかお伺いします。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 鶴のあし湯を利用される方々のトイレにつきましては、これまで常磐支所のトイレを利用いただいているところでございますが、今後は、いわき商工会議所常磐支所など、近隣施設のトイレも利用できるように、関係者や地域づくり団体等と協議してまいりたいと考えております。 ◆21番(溝口民子君) 支所のトイレを使うということにもなっているわけですけれども、今も申し上げましたけれども、やっぱり県道でかなり車が走るので、なかなか支所のトイレを使うというのが難しいようなんですね。常磐湯本町は観光地ですから、ぜひ公衆トイレというのが必要だと思います。 近所の商店のトイレなども、足湯を利用している方は使っているようですけれども、実は周辺に汚物が目立ってきたという苦情が寄せられるようになってきました。足湯に隣接している常磐商工会議所、ただいま部長の方から出ましたけれども、そこの敷地をお借りして公衆トイレを整備していくという考え方も以前あったようにお伺いしておりますが、いかがでしょうか。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) いわき湯本温泉のトイレの利用者は主に宿泊者、さらには観光施設の見学者などということであるため、宿泊しております旅館やホテル、さらには観光施設、発着する最寄りの駅などが利用されている現状にございます。 現時点では、宿泊観光地などにおけるトイレについては整備する必要はないものと考えておりますが、今後、関係者や地域づくり団体等と検討してまいりたいと考えております。 ◆21番(溝口民子君) ぜひともいい方向の検討をよろしくお願いしたいと思います。 次に、障害者自立支援法についてお伺いいたします。 障がい者の小規模通所施設でありますなこそ授産所の高村トミ子施設長は、なこそ授産所25年のあゆみの記念出版書の中で、障がい者は、社会の中でそこに存在するだけで健常者の心に何かを与える力を持っていると書かれています。高村さんたちの一番の応援団は、いつも入所生たちの笑顔だったのです。25年も続けることができた原動力も、指導の仕方を教えてくれたのも、入所生たち本人だったのです。彼らの笑顔が、どんなに苦しいときも、それを乗り越える力を与えてくれたと言っております。特に、地域の方々に、精いっぱい生きる入所生と触れ合っていただくことで、多くの感動を呼び起こすことができたそうです。 このように、障がい者が必要な福祉サービスや支援を受け、地域で自立した生活と安心して暮らせる社会を実現させる、それが4月からの障害者自立支援法の目的でした。ところが、現実はどうでしょうか。日本共産党はこれまで、障がいが重い人ほど利用料の負担が大きくなる応益負担は、自立支援法の制度の一番の問題点であることや、国の負担軽減策が障がい者の実態とかけ離れたものであることなど、制度の問題点を明らかにしてまいりました。障がい者にとって福祉サービスを利用することは、健康で文化的な最低限度の生活を営むために必要なものです。憲法に保障されていることを利益ととらえていいのでしょうか。私は決してそうではないと思います。このようなことを踏まえ、以下質問いたします。 まず、障がい者の実態についてです。 1つは、平成18年度の障がい者数は平成13年度と比べてどのくらいふえているでしょうかお伺いします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 平成18年4月1日現在で、各障がいごとの手帳所持者数で申し上げますと、身体障害者手帳の所持者数は1万7,111人、療育手帳の所持者数は1,903人、精神障害者保健福祉手帳の所持者数は985人となっており、平成13年4月1日と比べて、身体障害者手帳所持者数は1,152人、療育手帳所持者数は330人、精神障害者保健福祉手帳所持者数は603人の増となっております。 ◆21番(溝口民子君) 障がい者の数が年々ふえているという実態です。 次に、障害者自立支援法のサービスを利用している障がい者の、負担上限の月額区分ごとの人数はどのようになっているかお伺いします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 負担上限区分は4つに分かれており、まず市町村民税課税世帯については3万7,200円で、その該当者は平成18年9月1日現在で584人です。次に、市町村民税非課税世帯で年収が80万円を超える方については2万4,600円となっており、その該当者は576人です。次に、同じく年収が80万円以下の方については1万5,000円となっており、その該当者は366人です。次に、生活保護世帯についてはゼロ円、無料となっており、その該当者は119人で、合計は1,645人となっております。 ◆21番(溝口民子君) 今お伺いしても、やっぱり低所得者の方が多いというような実情になっていると思います。 次に、在宅の利用者は、4月は756人ということでしたが、6月の在宅利用者の平均負担額は幾らになっているでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 本年6月の在宅利用者は746人であり、その平均負担額は5,600円です。 ◆21番(溝口民子君) 次に、同じく施設利用者の平均負担額は幾らになっているでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 施設利用者数は603人であり、その平均負担額は1万627円です。 ◆21番(溝口民子君) 今お伺いいたしまして、在宅は5,600円が平均ということです。そしてまた、施設も平均が1万627円ということですけれども、やっぱりこれは平均をとっているわけですが、4月からこうして負担がふえてきたということでの苦情といいますか、訴えは当局の方には届いているでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 負担がふえていることについて、大変だというふうな話はお聞きしております。 ◆21番(溝口民子君) そういう負担が大変になっている中で、次は4月から6月までの施設退所者数についてお伺いいたします。
    保健福祉部長(仲野治郎君) 4月から6月までの施設退所者数は各月3人ずつであり、合計で9人となっております。施設種別ごとに見ますと、入所施設から6人、通所施設から3人が退所しております。 ◆21番(溝口民子君) では、その退所の理由としてどのようなものが挙げられているでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 9人の方の退所理由については、就職によるものが2人、グループホームへの入居によるものが同じく2人、市営住宅入居により地域生活に移行した方が1人、他の施設への移動によるものが2人、長期入院などによるものが2人となっております。 ◆21番(溝口民子君) それぞれの理由があると思うんですけれども、こうした知的障がい者の施設、授産施設なんかでもお話をお伺いいたしましたけれども、今までバス代だけで8,000円で済んでいたというわけですが、今度その負担が1カ月3万7,000円にもなってしまうということで、結局は利用を控えて休んでいるというふうな方も出てきております。 日本共産党の国会議員団が施設の実態調査の結果を6月にまとめました。それによりますと、全国212施設から176人に上る退所者が出ているということがわかりました。また、厚生労働省の6月下旬の自治体アンケートによりますと、半数を超す都道府県で利用者負担がふえて、退所する方がいたり、利用を抑制するというような結果になっていることが出ております。今後は、それぞれの障がい者のそういう実態をよく掌握する必要があると思いますが、いかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) ただいま申し上げましたとおり、現在のところ、本市では利用負担の増等を原因として退所している実態はございませんが、利用の抑制、回数を減らすとかそういったこと、さらには今後退所もせざるを得ないということになる可能性が生じてくる可能性もないわけではない。そういったことを十分調査・検討しながら、対応策は考えていきたいと考えています。 ◆21番(溝口民子君) そうした対応策について、これからの質問も私はしていくわけですけれども、ぜひ検討してください。 10月からの本格実施についてお伺いいたします。 障がいのある方が福祉サービスを利用するに当たっては、介護保険と同じように6段階の障害程度区分の認定を受けなければなりません。そこで、申請から支給決定までの手順はどのようになるのでしょうかお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 障害福祉サービスの支給決定に当たっては、利用を希望する方から申請を受けて、障害程度区分の認定を行うことになります。その認定に当たりましては、初めに調査員の訪問による106項目の調査を行い、その結果を判定ソフトに入力し、一次判定を行った後、医師意見書及び認定調査特記事項を加えて、市障害程度判定審査会による二次判定により程度区分を決定することになります。その後、利用者からサービスの利用意向の聞き取りを行い、その内容や認定された障害程度区分、それから現在のサービスの利用状況等を踏まえて策定したケアプランに基づき、支給決定を行います。 ◆21番(溝口民子君) そうした判定なんですけれども、今度の自立支援法の中には、もちろん身体、それから知的、精神障がい者という方たちがいるわけですが、特に知的障がい者や精神障がい者の障害程度区分がふだんより低く見られるのではないかということで、適正に判定されるのかなという心配をしている声があるんですけれども、こうした声に対して、市はどのように対処していくのでしょうかお伺いします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 障害程度区分の認定は、106項目の障害程度区分認定調査項目により一次判定の調査を行うこととなっており、調査に当たっては、知的障がい者及び精神障がい者の状況に精通している市内の相談支援事業者に委託して実施しております。 また、障害程度区分の二次判定においても、市障害程度判定審査会のメンバーの中に障がい者施設職員が加わっており、障がい分野の専門的見地から、障がいの種別も十分踏まえた上で、実態が適正に判定されるよう取り組んでいるところであります。 ◆21番(溝口民子君) 私、ある知的障がい者施設に伺ったときにお話を聞きました。そこでは全員に障害程度区分の予備判定というものを行ったそうです。判定区分が4、5、6ということになると、そのまま施設に入所できるということになるんですけれども、この施設の予備判定の結果を見ますと、入所区分ということで判定されたのは、その中でたった1割だったということです。つまり、これは、先ほども説明がありましたけれども、国の106の項目のうち、介護保険と同じ認定項目が79項目あるわけですよね。これで障がい者のそうした生活面を探るというのは、本当に難しいことだというのを施設の方はつくづく感じたそうです。 例えば、知的障がい者ですので、聞き取りに関しても、こういうことができるのと聞くと、うんと答えて、そしてまた、これはできないのと、同じことをできないと聞いても、また、うんと答えてしまう、そういう知的障がい者のことなどもお聞きしました。ですから、この三障がいの特性を十分に生かせるように対処していただきたいと、これは要望しておきます。 次に、地域生活支援事業についてお伺いします。 今定例会議案にいわき市が行う地域生活支援事業に係る手数料の条例案が提案されています。その中の訪問入浴サービスは、今後、1人1カ月平均でどのように変わってくるのでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 現在、訪問入浴サービス事業の利用者負担につきましては、利用者世帯の所得に応じた応能負担としておりますが、これまでは、結果として負担が必要な方はおりませんでした。今回、訪問入浴サービスは、障害者自立支援法の10月施行に伴い、地域生活支援事業に位置づけられ、本市においてはサービス費用の1割を利用者に負担いただく応益負担とし、本年6月の利用実績から申し上げますと、1回当たりのサービス費用1万2,500円の1割を今後利用者負担として求めることとしており、本議会にその条例案を上程しているものであります。なお、これまでの実績に基づく負担額を試算しますと、1人一月当たりの平均負担額は4,172円程度となる見込みです。 ◆21番(溝口民子君) 訪問入浴も1回ですと、これから1,250円ですか、そういうふうに1割負担になっていくということで、これもまた本当に障がい者の人たちにとっては、障害年金などで賄うということは本当に大変になると思います。 次に、移動支援事業の利用者の負担はどのように変わるのでしょうか伺います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 現在、自立支援給付として実施している居宅介護事業の外出介護につきましては、本年10月以降は、地域生活支援事業移動支援事業として実施されることになります。 今般、地域生活支援事業の利用者負担はサービス費用の1割の応益負担とすることとしておりますが、現在の外出介護の利用者負担は既に応益負担となっており、サービス費用の単価についても現行どおりとすることから、利用者の負担については、これまでと変わらないものであります。 ◆21番(溝口民子君) 私、実際、この移動支援を受けている方からもお話をお伺いしたんですけれども、目の不自由な方は4月1日から1万5,000円かかっているということでした。そしてまた、足の不自由な方なんですが、この方は御主人と一緒にいるので、御主人の収入もあって、3万6,000円も負担しているということなんですね。やっぱりこういうことで、もう外出するということが、本当に御主人にももう肩身が狭い思いをしながら外出しなければならないということをおっしゃっているわけです。 この地域生活支援事業は自治体の裁量で予算配分が決められるということなので、ぜひ障がい者の立場に立って、これを応能負担にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 自立支援法は、制度として応能負担から応益負担という基本的な建前としてつくられております。このことから、応益負担を応能負担に戻すということはかなり難しいといいますか、自治体の判断ではできないものと考えております。 ただし、同じ応益負担の中でも、障がい者の実態、その他を十分配慮して、可能な限りの負担軽減、あるいは利用しやすいサービスの提供、そういったことに努めてまいりたいと考えております。 ◆21番(溝口民子君) 最初にも申し上げましたけれども、本当に障がい者の方は、応益負担なんていう、サービスを受けるということではないということを、部長もそういうことを本当に自覚されていらっしゃるとは思いますが、施設の方は、この自立支援法は、もう30年前の、障がい者をうちの中に閉じこめて隠しているという状況に戻ってしまったということも言っていますので、ぜひできる限りというか、本当に頭を切り替えていただいて、ぜひ実現していただきたいとお願いします。 次は、小規模作業所についてお伺いします。 小規模作業所は、小さいけれども大きな巨人の役割を果たすと言われています。養護学校を卒業した障がい者や精神病院からの退院者などの受け入れ先としても、障がい者の自立になくてはならない施設です。そこで、10月1日以降、小規模作業所地域活動支援センターへの移行が予想されますが、移行できない小規模作業所に対する運営費の補助はどのようになるのでしょうかお伺いします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 小規模作業所の運営補助金につきましては、現在、市の単独事業として20カ所の作業所に補助金を交付しております。 なお、おただしのありました地域活動支援センターに移行できない小規模作業所につきましては、今後も引き続き同センターへの移行について指導してまいりたいと考えておりますが、当面、いわき市障害者小規模通所施設運営費補助金交付要綱に基づき、現行どおり市単独補助として実施してまいりたいと考えております。 ◆21番(溝口民子君) 今のお話で、移行できない小規模作業所の人たちは本当に安心されたかなとも思います。ところが、それがいつまで続くかということも、1つは、本当にそういう不安を抱えていることもあります。 そうしますと、そこを利用している方も1割負担ということはないということで考えてよろしいんでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 現行どおり、そのような形で実施してまいりたいと考えております。 ◆21番(溝口民子君) では、そのことについては一応安心して、次の質問に移ります。 障がい児についてお伺いいたします。 私たち日本共産党いわき市議団は、去る7月に、障害者自立支援法導入での施設や利用者の影響を学ぶために大津市へ行ってまいりました。そのときに、あわせて障がい児や障がい者の施策も学んできました。この大津市は、30年ほど前から障がい児施策で大津方式と呼ばれる先進的な取り組みを進めてきました。この方式は、早期検診、早期療育で検診を重視して、障がいが発見された場合、集団で対応を検討し、保護者の相談やアドバイス活動を行っています。 これと同じように、いわき市では、いわき地域療育センターが障がい児の大切な場所の1つになっているわけです。この施設では、ことし2月にNPOの資格を取得しまして、10月から児童デイサービスの実施を予定しております。児童デイサービスは、主に就学前の幼児を対象にして、遊びや訓練などを通して子供の発達を保障し、保護者の子育て支援をする事業です。そこでお伺いしますが、児童デイサービスを利用する場合の10月からの利用条件についてはどうなっているでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 現在までに国から提示されている資料によれば、児童デイサービスの対象者については、療育の観点から個別療育、集団療育を行う必要が認められる児童とされております。 なお、療育の必要性の判断につきましては、必要に応じ児童相談所や保健所に意見を求めることとされておりまして、必ずしも療育手帳の所持が必要条件ということにはなっておりません。 ◆21番(溝口民子君) 現在、ここには障がいかどうかはっきりしない子供さんたちも利用しています。そこにまた大きな意義があるといいますか、役割があるということを職員の方も言っておりまして、10月から療育手帳を持っていないとそこを利用できないというようなことをちょっと市の方から聞いていて、大変心配しておりましたが、療育手帳は必要ないということでよろしいわけですね。 次に、10月以降、施設の利用料を保護者が1割負担することになりまして、子供の通園の回数をふやせば保護者の負担がふえてくる。そして、こうしたことでは子供の発達が本当に危ぶまれてしまうわけです。また、施設の収入は子供の通園日数に応じた報酬に変更される、いわゆる日払い方式になるわけですけれども、そうしたことで、例えば子供が病気で通院ができないとか、それからまた夏休みなんかはどうしても長く休んでしまうということになってしまうと、施設は減収となります。子供が本当に1人か2人しか来なくても、そこで働く職員を減らすということはできませんから、こうした施設の運営では、これから福祉分野で頑張ろうという次代の福祉を担う若い人たちを育てることもできないと、職員の方も嘆いております。児童デイサービス事業者への独自助成を実施する考えはあるでしょうかお伺いします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 児童デイサービスについては、障害者自立支援法に基づき、本年10月から新たな事業体系のもとで実施されることとなっております。実施に当たりましては、対象者の拡大や報酬単価の引き上げが行われたところでありますので、本市といたしましては、その運営状況を見守っていくとともに、適宜アドバイスや調整を行ってまいりたいと考えております。 ◆21番(溝口民子君) 言葉じりをとらえるようですみません。アドバイスなどというそういうことは、具体的にどういうことでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 実際に運営をしていくに当たって、その対象児童の増は収入の増にもなってくるわけでございます。それから、単価についても、これまでの一回当たり5,280円が、今度は7,540円に変わるというふうなことになっております。そういった変化を施設の側でも十分とらえて、適切な運営ができるような形でアドバイスができればと考えております。 ◆21番(溝口民子君) そういう意味では、施設からいうと、通所する子供をふやせば収入が入るということになるんですけれども、どうしても子供ですので、例えばやっぱり10人確保しなければならなくても、休む子もいるということで、今、10人の確保については、逆に20人を何とか確保しなければならないということでもまた苦慮されているわけですし、親の立場からすれば、こうして負担がふえてくれば、なかなか行きたいと思っても行けないという状況も出ていると思うんですね。 先ほどもお話ししましたけれども、大津市のように、やっぱり早期検診、そして早期療育に力を注ぐということが、本当に今の子供たち、閉じこもってしまうとか、そういう子供たちもふえているわけですけれども、ぜひいわき市は、そうした子供たちにお金を使ってほしいと思いますが、そういうことでどのように認識されているでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 障がい児もしくは障がい児と思われる児童について、早期検診、療育の重要性は、まさしく議員の御指摘のとおりだと思っています。こういったことの充実が図られるよう、市としても十分努力してまいりたいと考えております。 ◆21番(溝口民子君) そうした施策の充実には財源も必要になるかと思いますが、ぜひその辺もよろしくお願いしたいんですけれども、最後になりますが、今、全国の自治体では、独自にこうした利用者の負担を減額、軽減させるということを発表しています。 ちょっと二、三紹介したいんですけれども、高知市では、利用者負担の激変緩和をするとして、1割負担の利用料の上限額を、ことしから2年半の限定になっているようですけれども、その3分の2もしくは3分の1を減額する。ですから、先ほどありましたけれども、3万7,200円の利用料は8,200円になるということです。これは、予算を見ると、約1,400万円ぐらいの予算なんですね。だから、十分こういうことは可能になってくると思うんです。 岡山市では、市内に35カ所の小規模作業所がありますが、作業所への補助金を最高252万5,000円まで増額するということでした。 それから、愛知県の大府市では障がい者の相談業務委託費を5つの施設にそれぞれ150万円を出すというようなことにもなっています。それから、未就学障がい児の施設利用料は月7,243円が2万2,743円になるので、その負担は据え置きにするということも発表されています。 また、高山市では、在宅障がい者のサービス利用料金を助成していく。4分の3で、来年は半分にする。こうしたことが全国では行われております。 いわき市においても、障害者自立支援法のサービスを利用する場合の利用者の負担額を減らすという独自の減免を何とか考えて行ってほしいんですけれども、いかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 利用者負担額につきましては、障害者自立支援法の中で、利用者本人の属する世帯の課税状況等に応じた負担額の段階的な上限設定や、低所得者に対するさまざまな軽減制度により、これまでの支援費制度と比較して、過大な負担とならないような措置が講じられていることから、いわき市独自の助成措置は考えておりません。 ◆21番(溝口民子君) 先ほど全国の減免状況もお知らせしたんですよ。それは、要するに国の負担軽減策ではとても障がい者の方たちの生活が成り立たないということで減免していると思うんです。いわき市の障がい者の方が健常者の方と一緒に頑張れるように、ぜひ減免をしていただきたいと思います。 中核市は、居宅系サービス負担について、これまで国2分の1、市が2分の1という負担でした。10月から中核市は大都市特例が廃止になりまして、負担が国が2分の1で県が4分の1、市が4分の1となります。そうしますと、市の負担が軽くなるということになりますから、こうした財源を使うべきではないんでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) この自立支援法といいますのは、これまで障がいの種別や地域、自治体間でサービスの提供体制や提供量に格差があったという前提のもとで、例えば精神障がい者の福祉はおくれていたとか、中山間部はサービス体系が整っていないということで、必要なサービスが受けられないとか、そういった状況を勘案して、そういったことを解消していこうということで設定した法律ですので、当然解消に伴って、サービス量は今後増大する。障害福祉サービスの増大を見越した上で設定した法律でございまして、その大きなポイントとしては、ふえていくサービス費用の負担、国の負担をこれまでの裁量的な経費から義務経費ということで、サービスはふえていくけれども、予算で切るようなことはしませんよと。国としては、義務として、それに見合った国の負担額は支出していきますということでございます。したがいまして、逆に言いますと、国の支出に比例して、市の支出も今後必ずふえていくという前提のもとでの法律でございます。 ですから、それは今後も制度を維持、存続させようという趣旨でございますが、市の負担も今後当然伸びていくという前提ですので、そういう状況の中で、市町村が独自に制度外の給付を行うということにつきましては、よほど慎重に考えなければならない問題ではないかと認識しております。 ○議長(藁谷利男君) ここで、午前10時50分まで休憩いたします。            午前10時41分 休憩           ------------            午前10時50分 開議 △木田孝司君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。13番木田孝司君。          〔13番木田孝司君第二演壇に登壇〕 ◆13番(木田孝司君) (拍手)きょうは9月12日、平成18年1月1日より数え255日目、ことしも残すところあと110日となりました。ちなみに、1992年のきょう、日本人の科学者毛利衛さんがアメリカ・ケネディ宇宙センターからスペースシャトルエンデバーに乗り込み、勇躍宇宙へと旅立った日。そして、その日を記念し、我が日本におきましては、国際宇宙年であったということもあって、宇宙の日ということで制定したそうであります。 さらに、私、平成12年10月より市民の皆様から負託をちょうだいし、この議場に席を置かせていただいてより、6年が経過いたそうとしております。いわき市議会にとりましても、任期半ば、折り返し点ということでありまして、さらに私、一般質問登壇の機会を得てから、今回20回目ということで、個人的には節目の登壇となりました。しかしながら、これも同僚議員、そして先輩議員の絶大な御理解と、そして御支援があったからこその所作でありまして、その信頼にこたえるためにも、市民の皆様へそれをきっちりお返ししていく。そのために、この議場において真剣に取り組み、さまざまな質問を展開する中で、市民の皆様のあまねく福祉の向上と生活の安寧を願いながら、以下、通告に従って質問を進めてまいりたいと存じます。 本年2月に総務省消防庁のまとめによりまして平成17年版の救急・消防のまとめが公表され、平成15年4月からの救急業務を行う救急救命士の処置範囲の拡大や、非医療従事者によるAEDの使用が認められるようになるなど、周辺環境も大きく変わってきている状況の中で、技術の高度化や対応のスピードアップが図られる中で、傷病者の命をつなぐ救命の連鎖、チェーン・オブ・サバイバルの端緒を担うバイスタンダーの役割が、その実績とともに広く認知されつつある現状にあります。 ただいま申し上げました消防庁のまとめ、その資料によりますれば、応急手当ての救命効果は、簡単に示すとこういうことになります。平成17年度の取りまとめということで、平成16年中のデータということになるわけですが、救急隊員が搬送した心肺停止傷病者数、一番上の丸、9万4,920人のうち、家族などによる応急手当てが実施されていない傷病者が、全体の66.48%に当たります6万3,105人になります。そして、見るべきところは、その1カ月後の生存者数ということで、応急手当てが実施されていない傷病者の3.7%に当たる2,363名の方が存命なのに対し、救急手当てが実施された傷病者、1カ月後はどうかというと、もう数字的には1,376人ということで、数としては非常に少ない印象を受けるわけですが、率からしますと1ポイント多い4.3%の存命率であるということになるわけです。いかに応急手当てが大切かということが、この数字によって改めて御理解いただけたのではないかと考えるところですが、本市におきましても、市民の皆様への啓発と実際の救命率向上を目指す上で、欠くべからざる応急手当ての普及講習を適宜実施していることは周知のところでございます。 そこで、まず消防本部の所管で実施されておりますこの応急手当普及講習の種類について、どのようなものがあったのか、おさらいの意味でお聞かせいただけますでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 応急手当普及講習につきましては、市民の皆様に正しい知識と技術の普及啓発を図るため、救急知識講習、普通救命講習及び上級救命講習の3種類がございます。 ◆13番(木田孝司君) その講習の内容、どのような違いがあったのかお聞かせいただけますか。 ◎消防長(木村清君) 講習内容の違いにつきましては、すべての講習は救命に必要な応急手当てが中心となっておりますが、救急知識講習は、3時間未満の講習において、受講者の希望に応じた内容で実施しております。また、普通救命講習は、3時間または4時間の講習において、知識の確認や実技の評価が付加されており、上級救命講習は、8時間の講習において、さらに外傷の手当要領や搬送方法などが加えられております。 ◆13番(木田孝司君) これまで多くの市民の皆様に対する応急手当てにつきまして、そういったさまざまな形態で普及を図ってきていることは、ただいまの答弁からも明らかでありますけれども、それらの普及講習に類する講習会の受講者は全体でどれほどの数になるのか。過去3年間ぐらいにわたってわかりましたらお示しいただけますか。 ◎消防長(木村清君) 過去3年間の受講者数につきましては、平成15年1万2,168人、平成16年1万3,888人、平成17年1万3,778人となっております。 ◆13番(木田孝司君) 過去3年間ということで数字をお示しいただきました。平成15年から平成16年にかけては1,000人以上の伸びということで、あとは1万4,000人弱のところを推移しているのかなというところでありますけれども、そのうち自治会あるいは地域の防災組織の訓練などでよく実施されているところの、今お聞かせいただいた内容でいいますと、救急知識講習というんでしょうか、最も市民の皆様にとって身近な知識取得の場になっているのかなという感じがするわけですけれども、救急知識講習の受講者数は平成17年度で結構ですが何人ぐらいございましたか。 ◎消防長(木村清君) 平成17年中の救急知識講習会の受講者数は、1万1,774人となっております。 ◆13番(木田孝司君) この前段で、3カ年にわたる全体の数をお示しいただいたところですけれども、そのうちでも1万人を超える方々がこの知識講習というものを受講されているということで、概略的なイメージづくりにはなっているのかなという印象を受けます。 そこでであります。市民の皆様へ向け、さらに受講者数そのものをふやしていき、そのすそ野を広げていく必要があるものと考えますけれども、今後の講習会などの進め方につきまして、そのイメージといいますか、概略的なものでもございましたらお聞かせください。 ◎消防長(木村清君) 今後の講習会の進め方につきましては、現在、主に自主防災会や企業など団体を対象として行っておりますが、受講者のさらなる拡大を図るためには、中学生や高校生を対象とした講習会の実施、あるいは多くの市民の皆様が個人でも参加できるような定期的な開催が考えられます。 ◆13番(木田孝司君) ただいまお答えの中にありました自主防災組織ですとか、あるいは各種企業といった団体を含めて考えていく中で、最初の自治会単位あるいは地域防災組織の主催による講習会実施の要請、非常に多くなってきているということをお聞きする中で感じるわけですけれども、その詳細、よくよく考えますと、都市部と中山間地域のような地域ごとにその受講率自体にばらつきがあるのかなと考えるところです。 ということで、そういった格差をなくし、全市的に均質化した受講者数の増加を図るために、きちんとブロック分けをした形の中で、地域ごとに目標を設定する必要があると考えますが、このことについての御見解をお聞かせいただけますでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 地域ごとの目標設定につきましては、各消防署の管内居住人口に対する過去の受講者数の実績等を踏まえまして数値目標を定めており、平成18年の目標値につきましては、平消防署管内では5,260人、小名浜消防署管内では2,800人、勿来消防署管内では2,050人、常磐消防署管内では1,600人、内郷消防署管内では1,750人となっております。 ◆13番(木田孝司君) ただいま消防長の方から、地域ごとに既にそういった目標設定がなされているということで答弁がございました。もちはもち屋ということで、当然そこに考えが既に及んでいたということなのかなということで、私自身、ちょっと恥ずかしい思いがしたわけですけれども、ただ、この数字を見ましても、さらに詳細に区切っていく。当然、平消防署では5,260名という目標があるにしても、分遣所等、例えば四倉ですとか、小川ですとか、川前ですとか、詳細に分かれていく部分があるんだとすると、もっときめ細かに設定していく必要があるのかなと私は考えるところです。 時間もありませんので、次へ進みたいと思いますけれども、さらに地域ごとに行う講習会のほかに、今、事業所に向けた啓発あるいは講習ということで考えていかないといけないと思うわけですが、多くの市民は日中仕事をしているわけですから、その拠点はそれぞれの職場ということになるものと思われます。その点からしますと、事業所など民間の団体ですとか、あるいはグループを単位とする講習会の開催状況が気になるんですが、その開催状況について、掌握されている部分がございましたらお聞かせください。 ◎消防長(木村清君) 平成17年中の事業所等における講習会の開催状況についてでありますが、製造業や建設業などの事業所では76回の開催で、受講者が1,826人、商工会などの各種団体では32回、967人、老人ホームなどの福祉施設では35回、782人となってございます。 ◆13番(木田孝司君) 回数もかなり多くされているといいますか、全体の割合からすると、3,000人弱というところなんでしょうか。全体からしてみますと、思ったほどではないなという印象にもなってくるわけなんですが、多くの皆様が集まる大規模小売店舗ですとか、あるいは従業員数が多い製造業など、一定の要件、例えば従業員数何人とかという形で、その要件を備える事業所に対して、こちらから、消防本部というのではなしに、いわき市として積極的に応急手当普及講習の開催を呼びかけるべきだと考えるわけなんですが、その辺について御所見を聞かせていただけますか。 ◎消防長(木村清君) 消防本部といたしましては、これまでも市内各事業所等に対し、予防査察時における開催依頼など、講習会の開催の促進に努めてきたところでありますが、今後は、多くの事業所等の積極的な講習会開催に向けまして、事業所等の実施状況などを精査し、その方策等について検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) 火災予防の観点から、まずは予防査察をする中で、あわせてこういった啓発活動をしていくということでありますけれども、よくよく考えますれば、1つ期間を区切ってキャンペーンを行うなどして、集中的にそういった啓発活動を進めるような方法もあるのかなということも考えますので、その辺も含めて、ぜひ御一考いただきたいなと思います。 さて、応急手当てについて、内容に入っていくわけですけれども、現在の応急手当ては、皆様御存じのとおり、人工呼吸あるいは心臓マッサージという一連の手順、流れがあるわけですが、この指針となっているガイドライン2000というものがあるんですけれども、これが改定されたと私、仄聞しておるんですが、どのような点が変更されたんでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 主な変更点につきましては、心肺蘇生法における心臓マッサージ15回と人工呼吸2回の組み合わせが、それぞれ30回と2回になったこと、またAEDにつきましては、これまで除細動が連続3回まで可能であったものが、変更後は、除細動を1回実施した後は2分間の心肺蘇生を行うことになったことなどであります。 ◆13番(木田孝司君) 私が以前講習会を受講して御教示いただいた内容から、ある意味全く変わってしまったのかなという印象も受けますけれども、これ自体、救命率、効果を上げるために、そういう回数なり手順が変わってきたということなんだろうなと想像するところです。 となりますと、当然本市において消防本部が行う講習会も、ただいまの消防長からの答弁の内容に基づいて実施していくことになるのか、あるいはなっているのかなと思いますが、改正を受けての指導内容は切り替えられたのかどうか、その辺をちょっと確認させていただけますか。 ◎消防長(木村清君) ガイドライン2000の変更に伴う講習会等での指導の切り替えにつきましては、国の応急手当の普及啓発活動の推進に関する実施要綱の一部改正が、先週の9月6日付で県より通知されたことから、消防本部といたしましては、早急にいわき市応急手当の普及啓発活動実施要綱の改正を図り、できるだけ早い時期に新たな応急手当ての普及啓発の実施に努めてまいりたいと考えております。 なお、最近の講習会等におきましては、国の改正情報をもとに、主な改正内容等について説明を行い、その理解を図っているところでございます。 ◆13番(木田孝司君) このガイドラインの変更は、たしか聞いている限りでは、ことしの春先というか、5月ぐらいだったということでありますけれども、そういうことでいうと、少しタイムラグが生じている。ただ、県からの通知が9月6日に来たということで、大変急激に変わっている状況なのかなということを思うわけですけれども、従前の方法、それから新しい方法ということで、できるだけ早急にということはあるにしても、従前の方法で応急手当てに関する講習を受講されて、それを習得されている方に関して、先ほどお示しいただきました受講生全体数からしましても、かなりの人数になることが想像できるわけですけれども、そういった従前の方法を習得されている方々に対する周知の方法はどのように図っていかれるのかお聞かせください。 ◎消防長(木村清君) 既に応急手当てに関する知識を得ている方々への周知方法についてでありますが、広報いわきや市のホームページの活用を初め、各種イベントにおけるチラシの配布など、あらゆる機会をとらえて周知してまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) より救命率の上がる方策が今回提示されたということでありましょうから、ぜひともその辺を十分に配慮しながら、できるだけ広範に周知していける方法の確立をお願いしたいと存じます。 そして、そういった普及啓発をしていく上での講習の開催ということになるわけですが、当該事業の目標設定ということで、以前から毎年のようにお聞きしているわけですけれども、平成18年も折り返し点が来た中で、平成19年に向けた当該事業の目標設定ということで、お考えがありましたらお聞かせください。 ◎消防長(木村清君) 平成19年に向けた講習会の受講者数の目標設定につきましては、平成16年から年間1万3,000人を目標に実施しているところでありますが、さらに効果的な普及啓発を図るため、普通救命講習に重点を置いた取り組みについて検討を行うとともに、この3年間の実績等を踏まえて、新たな目標値を検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) 当然、回数を重ね、数次にわたって受講されている方もいらっしゃるのだと思いますので、そういったダブりを極力なくす形の中で、広く、そしてさらにレベルアップを図っていくような方策の御検討をお願いしたいなと思います。 そして、私ども会派の中で、先日視察研修ということで訪問しました柏市におきましては、市民の皆様を対象とするこういった応急手当ての普及講習を毎月定期的に開催し、随時参加していただく形をとることで、その普及に大いに実を上げているということでした。 本市においても、定期的に一定の周期の中で講習会等を恒常的に開催することで、一般の市民の皆様はもとより、先ほど質問させていただきました事業所ですとか、あるいはグループ単位の受講者も受け入れやすくなるというような副次的な効果も期待できるものと考えますけれども、先ほどお話の中にもあったようですが、そういった形で定期的に恒常的に普及講習を実施していくことについてのお考えを、いま一度お聞かせいただけますか。 ◎消防長(木村清君) 消防本部といたしましては、応急手当ての普及推進を図るため、いつでも、どこでも、一人でもをスローガンに講習会を開催しているところでありますが、今後さらに市民の皆様が計画的に受講できるよう、定期的な講習会開催について検討しているところでございます。 ◆13番(木田孝司君) ぜひ実現方よろしくお願いしたいと思います。 では、大きな項目1番目の2つ目の設問、AEDに関する取り組みについてということで伺ってまいりたいと存じます。 ただいまお話の中にありましたように、そういった講習会を受講することの1つの効果として、受講者の一人一人がバイスタンダーとしての役割をきちんと果たしていくことで、助けられるかもしれない命を助ける一助となすことが、前段の議論の中でも明らかになったところですけれども、この制度の改正によりまして、非医療従事者にもその使用が認められることとなりましたAEDについて、その実数ということで、実は9月8日に明らかになったところなんですが、冒頭お話ししました総務省消防庁のまとめた資料をもとに、消防庁の方で改めて詳細に調査していった結果としまして、心肺停止傷病者の救急搬送時などの状況ということで、その効果についての結果がまとまったということですので、ちょっとお示ししたいと思いますが、2005年中、昨年中の心臓疾患による心肺停止の症例ということの中でのくくりなんですけれども、このAEDを使って除細動を行った例、救急隊員、それから民間の方々含めて約4,800件あったということでございます。そのうち、1カ月後に生存していたのが17.5%に上るということで、数としては840件。除細動が行われなかったケースで存命されていた方が3.5%しかなかったということで、明らかにその効果が数字としてあらわれている状況なのかなと考えるところです。 このAED、本年度の一般会計当初予算にも予算計上されるなど、本市におきましても、その環境整備に向け、一定の方向づけができたものと私は認識しておりますけれども、現在の状況ということで、まずは国・県の別なく、本市での病院以外における公共施設でのAED配備状況をお示しいただけますでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 消防で保有している14台を除きますと、市の施設には、本年6月に36台を設置いたしました。市以外の施設については、現在、把握しているところでは、国関係が福島工業高等専門学校に、県関係では、県立高校16カ所、養護学校2カ所、その他の施設2カ所の計20カ所に設置済みと聞いております。 ◆13番(木田孝司君) それでは、民間での取り組みはどうなのかということになりますけれども、前にこの件で質問させていただいたときには、やはり医療機関における配置が進んでいるということでお聞きしていたところですけれども、現在の民間医療機関での設置状況がどのような状況になっているのかお聞かせいただけますか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 現在、市で把握している状況について申し上げますと、民間の病院、診療所、医師会など、合わせて78カ所に設置されていると聞いております。 ◆13番(木田孝司君) それでは、医療関係以外、大規模小売店舗ですとか観光施設、あるいは宿泊施設といった日常的に不特定多数の方が出入りする民間施設の設置状況はいかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 市で把握している範囲で申し上げますと、いわき明星大学等の学校施設が2カ所、スパリゾートハワイアンズ、常磐共同火力等の事業所が3カ所、その他の施設が2カ所の合計8カ所に設置されていると聞いております。 ◆13番(木田孝司君) 現状そういう中で、これからどうしていこうかということになっていくわけですが、本市におきましては、ただいま申し上げましたように、今年度の一般会計当初予算に計上され、この6月ですかね、ただいま部長の方からもお示しいただきました一挙36基の配備がなったわけであります。 民間での状況はさておき、いっときにこれだけまとまった数を公共施設に配置するということは、市長を初めとする執行部各位の市民の皆様に接する姿勢、あるいは市民サービスのあり方に対する当局の考え方のあらわれであるとだれもが認めるところであり、全国的に見ても先進の取り組みであったと、その配備に向け、議会から会派として提言してきた私ども志政会としても、その恩恵を享受すべき市民にかわって感謝し、敬意を表するところではありますけれども、AEDに関する全体的、総体的な見方からしますと、その状況は決して先進的であるとは言えない状況になっているのかなという印象を持ちます。 すなわち、何かあったときの対応として、目につくところ至るところにそれがあることによって、安心感を持って当該施設を利用することができる環境が初めてでき上がるのではないかと考えるところで、他市においては、民間施設へもその配置の協力を仰ぐ体制を整えるなど、まさに全市を挙げて取り組んでいる自治体もあると仄聞しております。 そんな観点から、本市の公共施設のうち、今年度配備されなかった施設に対する設置に関し、今後の計画という意味で、その計画があるのかどうか、まずはその御見解をお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) AEDの整備に当たっては、平成17年12月に、いわき市における公共施設への自動体外式除細動器(AED)の設置指針を策定し、この指針に沿って整備を進めることとしたところであります。 したがいまして、今後、新たに建設される施設や利用状況の変化により設置が望まれる施設が生じた場合においては、施設管理者が当該指針に沿って設置を検討することとなります。 ◆13番(木田孝司君) 私の認識不足といいますか、平成17年12月のその設置に関する指針があったことは存じておりましたけれども、それ自体、大きな予算が計上された、そしてこれだけたくさんの公共施設がある中で36カ所を選ばなければいけない、そういった視点でもって、選択をするための基準とすべく指針であったという認識を私はしておりました。 その指針に基づいて、これから設置を進めていくというお考えだということに若干驚きの念を持つわけなんですが、各施設での次年度以降の対応については、ただいま、施設を所管する部局の考え方をまつということでありましたけれども、あくまで当該指針を根拠としてその計画を進めるのだとしますと、その基準に満たない施設であっても、例えば市当局の最前線基地とも言える各支所であるとか出張所、サービスセンター、あるいは年齢や性別にかかわりなく、各地域において最も多くの市民に利用され、特に最近は、高齢者の方々のダンスですとか体操教室などのサークル活動の拠点としても大いに利用されている36の公民館を含む生涯学習施設など、さらには本市の産業の一翼を担うべくして設置された観光施設のうち、市の管理下にあると言える公共の位置づけがなされる施設への対応、この対応が非常に気になるところですけれども、この件についてはどのようにお考えなんでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) さきにお答えいたしましたとおり、今回設置されなかった施設につきましては、利用状況の変化等を勘案し、施設を所管する部局において設置を検討するということとしているわけでございますが、当然、全国の状況を見てみますと、かなり先進的に取り組むところも生じております。また、機器の単価もかなり安くなっているとか、そういう状況変化もございます。もちろん市民の皆さんの意識変化もかなり進んできております。今後は、そういった状況を十分勘案しながら検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) 御検討いただくことはよしとして、本市の市域面積を網羅するという観点からは、ただいまお尋ねした中で申し上げた公民館よりさらに細やかな配置がなされているということで、74の市立小学校と44の市立の中学校がございます。近年、生涯学習に対する認識の高まりとともに、広い校庭ですとか屋内運動場を備えていることから、地域コミュニティーの中核施設としての機能も求められてきている状況がある中で、学校というくくりでいいますと、先ほど答弁の中にもございました、市内の県立高校への配置が福島県の責任において行われているという状況からすれば、本市の責務として、市立の小・中学校への配備については言わずもがなのところもあろうかとは存じますけれども、昨年、平成17年の12月定例会でも私からお尋ねしておりました、この公立小・中学校への配置についての検討状況をお聞かせいただけますでしょうか。 ◎教育部長(山田満君) 小・中学校は児童・生徒が1日の大半を過ごす場であり、また身体の成長をはぐくむための活動も行われております。特に、中学校ではスポーツ活動が活発になることから、不測の事態に対し、AEDの設置が有効であるものと認識しております。 教育委員会といたしましては、おただしのコミュニティー機能というものも含め、市の設置方針との整合を図りながら、設置に向け検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) このAEDについての関心の高まりというのは、以前にも私からお示ししましたけれども、富山県入善町立小学校の女子児童や市内県立高校生の運動中に発症した心室震盪による死亡事例を端緒としているところからも、喫緊の課題であると考えております。ぜひとも設置に向けての具体的な議論を深めていただきたいと思うんです。 検討ということでありましたけれども、一挙36台、平成18年度に設置がなったということであれば、平成19年度以降、それこそできるだけ早急にということでの設置が求められるのかなと考えますが、その辺、もう一度お聞かせいただけますでしょうか。 ◎教育部長(山田満君) 教育委員会としましては、ただいま御答弁申し上げましたとおり、特に中学校ではスポーツの活動が活発になるということ、それから不測の事態に対応するために、市の設置方針を十分に酌んで対応してまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) 先ほど来申し上げておりますけれども、あらゆる機会、あらゆる場面でそれを目にすることができる状況が理想であります。財政的な負担を考えれば、効率的な配置ということがその課題として呈せられることは容易に想像できるわけでありますけれども、その点からも、ただいまお聞かせいただいたような公共施設に対する取り組みの鈍さということにもつながってきてしまうのではないかなとも考えられるところです。 さらには、市内各所で行われている各種イベントは屋内に限ったことではなくて、市民運動場ですとか屋外などでも実施されている状況にあります。そこで、この大きなスポーツイベントなど各種イベントの際に、会場に配置しておけるような貸出専用のAEDを整えることも必要ではないかと考えるところですが、当局のお考えをお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 貸出用のAEDについては庁内検討委員会等でも検討いたしましたが、機器の管理等の問題もありますことから、まずは施設に設置することを優先したものであります。 なお、今後につきましては、その需要等を見きわめながら、イベント等を所管する各部局において、その必要性等を検討することになると考えております。 ◆13番(木田孝司君) ただいまの御答弁で、まずは施設に優先的に設置していくことを念頭に置いているということでございました。さらには、その前、現段階で計画策定の考えはないと、あくまで平成17年12月に策定された指針に基づいて設置を進めていくのだという答弁があったわけでございます。 実際、私、今申し上げましたように、財政的な面の裏づけをしっかり確保していくためには、1つ目標をしっかりと定めて、実施計画をきちんと策定し、一定の成果を求める必要があると考えるところですけれども、当局の御見解をいま一度お聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 設置指針において設置すべきとされた施設につきましては、今年度すべて設置いたしましたことから、今後につきましては、社会経済状況を踏まえて、指針で想定した環境に変化が生じた場合に、指針の見直しも含め、対応策を検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) 市長、昨日来、各議員の間からも、市長のこの1年の本市市民に対しての取り組みということで問いかけがございました。市長の先進的なお考えによりまして、このAED、一挙36台整備がなったわけですし、ましてや私どもの地元川前地区におきましても、今般、救急車が配置されることになったということで、その市長の命に対するお考え、命の重さに対する見識の深さに私自身深く感銘を覚えているところですけれども、今ほどの議論の中を見てまいりますと、いかにも制度にのっとって、取り決めに従ってというお話しか見えてこない気がしております。 よくよく考えますと、その指針は、施設の使用者5万人を基本とするというようなことにもなっているようです。はっきり申し上げて、この指針に基づくならば、中山間地域には未来永劫AEDは置かれないということになってきてしまうのかなという気がいたします。きょう、あすにも、今この後すぐにもそういった状況が発生した場合、市民の間から、ここにAEDがあれば、あのときAEDが使われていれば元気でまだいられたのにという声を聞かなくて済むように、ぜひともこれは市長の政治判断でもって進めていただきたい施策の1つだなと私思うんですが、市長の御見解はいかがでしょうか。 ◎市長(櫛田一男君) 大変貴重な御提言をいただきまして、感謝しております。 私は、市長職に就任以来、議員が提案する除細動の設備についてということで、考えを深くしていたところでありますけれども、あの発言の後でありますけれども、会議になったときに、実は6台だけの市内の配置ということを計画しておりました。6台では、この広いいわき市のどこにどう配置していいのか、基礎的な配置の地図ができ上がってまいりませんので、これは木田議員の話から派生した36台であります。したがいまして、市の執行をする場合には、計画というものがまず何よりも大切であることは議員御承知のとおりでありますから、まず基礎的な計画を立て、それにのっとって順次整備をしていく手法をとりたいということを考えているわけでありますが、最初の36台は、よその地域から比べていわき市は相当数中山間地域もあるし、広い市域でありますので、これらを網羅するための基礎的な36台であったと御理解をいただきたいと思います。 その以後は、各地域の皆さん方それぞれの立場で、企業は企業で除細動器を整備する、消防は消防、さらには教育委員会は教育委員会でやっていく、そういうことによって全体把握をしながら、この広いいわき市内を網羅していくことによって、市民の生命・財産、あるいはそういったものを守り抜くという基本姿勢を貫いていきたいと考えておるところであります。 ◆13番(木田孝司君) 大変力強く、示唆に富んだお言葉、ありがたく拝聴し、私もさらに感銘を受けましたが、執行部各位におかれましては、ただいまの市長の御発言の意を十分体して、平成19年度以降の取り組みに向けて、誠実にしっかりと対応していただきたいなと考えます。 そして、実際の配置ということでいいますと、もう1つ、最近話題に出ておりますAEDに関しての先進国であります米国におきまして、このAED使用の禁忌事項であります8歳未満の小児への使用に当たって、その理由とされておりました治験数の少なさを根拠とせず、改めて生理学的な見地から、小児用のパッドが開発され、鋭意その配置が進められていると仄聞しているところでございますけれども、その小児用パッドの配置の現状について、当局として掌握されているところがございましたら、ちょっとお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 小児用のパッドにつきましては、本年6月に認可され、流通が開始されたのが本年8月であり、まだ間もないことから、全国でも2,000セット程度、県内では60セット程度の普及であると聞いております。 ◆13番(木田孝司君) この小児用パッド、先ほど来申し上げております、助かるかもしれない命を救うということではあってもよい、いや、なくてはならない備品の1つになってきているのかなと考えるところですけれども、本市として、公共施設への配置というものについてどのようにお考えでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 今回設置しました36の施設につきましては、小児用パッドの流通前に設置いたしましたことから、小児用パッドにつきましては検討しておりませんでしたが、今後、その必要性等を検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) 先ほど申し上げました小・中学校への配置、それからそのほかの施設への配置ということも含めて、ぜひとも具体的な検討、俎上にのせていただきたいと考えます。よろしくお願いしたいと思います。 そして、このAED、設置がなった際の周知・啓発等について、まだまだやっていかなければいけないということあるのかなと考えますが、市当局がその管理監督を行うべき施設への配置を進めることは当然でありますけれども、先ほど申し上げたように、民間の施設に対して、AED設置の要請を進めていくことが必要ではないかなと考えますが、お考えをお聞かせいただけますか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 民間施設への設置推進に関しましては、今後、設置が望ましい施設に対し依頼してまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) 民は民でということ、当然の答弁なのかなという気もいたします。いわき市としまして、公共、民間を問わず、設置されている施設でもって、例えば神戸市、柏市で行われているような、市内でこれだとわかるようなイメージでもって作成された統一した表示をすべきであると考えるわけなんですけれども、このような取り組みについてはいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) AED設置施設の統一した表示については、観光客なども含めて、利用者への効果的な周知を考えた場合、全国統一の取り扱いが望ましいと考えておりますことから、市独自のロゴの制定等は現在のところ考えておりませんが、全国統一のロゴ等が定められた際には取り入れてまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) その統一されたマークということに関しましては、当然いわき市として責任を持って発行していくということになるんだと思うんですが、例えばそうすることによって、AED自体がどこにあるのか、その所在が明確になっていくということが1つ、効果といいますか、効用としてあるんだと思います。そういった部分を包含しながら、きちんと市として穴を埋めていく作業の一助になるとも考えられますので、ぜひその辺も含めた御検討をお願いしたいなと考えるところです。 そしてまた、現在、既にAEDが設置されている施設内におきまして、離れた位置からでもその設置されている場所がわかるような、わかりやすく明示する表示板など、例えば、器材の置いてある壁面の直上に掲げるというようなことによって、その位置を知らしめて、さらに扱いやすいといいますか、とりに行きやすくするというような方法が考えられるのかと思うんですけれども、具体的にいいますと、例えばAEDがここにあります。設置してある壁面がここにあるとしますと、AEDの表示板をその壁面にこういうふうに取りつけることによって、壁面に平行、対峙した人だけでなく、遠くからでもAEDの場所がわかるということで、さらに使用の効果を上げることができるのかなと考えますが、そういった表示板の設置について、何かお考えはございませんでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 現在、AEDの製造メーカーが作成している設置施設用のシールを利用者の見やすい場所に貼付しているほか、機器が収納されているボックスにも大きく表示されておりますが、なお大きな建物など、施設によっては工夫する余地がないかどうか検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) 市民の皆様の命というものを考えますと、これをつなぐことができる可能性を持つAED、ある意味保険的な意味合いも出てこようかとは思いますけれども、あることによって、そこはかとないいわき市としての安心感を醸成していくという、そんな効果もあるのかなとも思います。ぜひ、先ほどから申し上げているような内容を踏まえて、このAEDに対する取り組み、善処していただきたいなと思い、その辺についてお願いしながら、この項を締めくくりたいと思います。 さて、時間も余りなくなってきてしまいましたけれども、できるだけ先へ進めたいと思います。 大きな2番目、本市における国民保護計画についてということでございます。 この国民保護計画、いろいろな議論がこの議場でも交わされてきているところですけれども、その中でも、当然問題提起がいろいろなされているわけですが、この法律が実際制定されるきっかけといいますか、どのような理由から法律化されることになったのか、まずその辺からお聞かせいただけますでしょうか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律は、武力攻撃事態への対処に関して必要となる法制の整備に関する事項を定めることを目的としておりますことから、この目的に基づきまして、この国民保護法が制定されたものでございます。 ◆13番(木田孝司君) では、この法律はどのような目的を持って制定されたものなのか、もう一度お聞かせいただけますか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 国民保護法は、武力攻撃事態等において、武力攻撃から国民の生命、身体及び財産を保護し、並びに武力攻撃の国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となることの重要性にかんがみまして、国全体として万全の体制を整備し、もって武力攻撃事態等における国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施することを目的としております。 ◆13番(木田孝司君) ただいま部長の答弁からもありました、生命、財産、身体、まさに国民の国民たる基本的な部分を守るために制定された法律であるということであります。 さらには、武力攻撃事態ということで、非常に刺激的な言葉ではありますけれども、この国民保護法において定義されているような武力攻撃事態と想定される事案が発生したとき、今現在、本市において国民保護計画策定中であるということで伺っておりますけれども、そういった観点から、これまでの制度の中で本市が基礎自治体としてとり得た行動としては、どんなものがあったんでしょうか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 本市がとり得る行動といたしましては、防災に関する市の総合的な計画であります市地域防災計画に基づき、災害発生の場合に準じて災害対策本部を設置するなどにより、武力攻撃事態に係る情報の伝達、避難誘導等の応急的な対策を実施することとなります。 ◆13番(木田孝司君) それでは、この計画、これまで本市としても何度か行われておりました自衛隊に対する災害派遣要請などと手順や内容に違いはあるんでしょうか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 災害及び武力攻撃事態におきましては、原則として、都道府県知事が自衛隊に派遣の要請ができるとされておりますが、通信が途絶している場合など、市町村長が都道府県知事に対して派遣要請の要求ができないときに、例外的に防衛庁長官にその旨の通知等ができることとされております。 その際に、災害の場合は、防衛庁長官は自主的な判断により派遣ができるとされておりますのに対しまして、武力攻撃事態の場合には、防衛庁長官が国の対策本部長に報告し、対策本部長が防衛庁長官に派遣を求めて、初めて派遣ができるという点に違いがございます。 ◆13番(木田孝司君) 部長の方から、これまでとり得た行動ということで答弁がございました。地域防災計画に基づく行動と大きく違うことがこれによって明らかになったわけでありますけれども、しからばということで、本市における国民保護計画についてということで伺いたいと存じますが、まず本市は、この国民保護法の制定によって、どのような行動といいますか、手続を踏むことが求められているんでしょうか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 市におきましては、国民保護法の規定により、警報の伝達や避難誘導等の国民保護のための措置、並びにこれらの措置を総合的に推進する市国民保護対策本部の組織体制等を内容とする市国民保護計画を策定することや、その計画に基づきまして、武力攻撃事態等の際に必要な措置を実施することが求められております。
    ◆13番(木田孝司君) ただいまの求められる行動に関し、そのために必要となってくる環境というものがあるんだと思いますが、その所要の条件にはどういったものがあるんでしょうか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 武力攻撃事態等におきましては、国民保護法の規定により、国から市に対してなされる市国民保護対策本部を設置すべき旨の通知に基づきまして、市が国民保護対策本部を設置することであります。 ◆13番(木田孝司君) それでは、それらの条件、環境整備をどのように進めていかれるんでしょうか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 福島県版の市町村国民保護モデル計画に基づきまして、市国民保護協議会の下部機関である市国民保護計画検討部会での検討や関係機関への意見照会を踏まえながら、警報の伝達や避難誘導等の国民の保護のための措置、並びにこれらの措置の総合的な推進に関する市国民保護対策本部の組織体制や事務分掌等を定めてまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) 本市においても、ただいま策定に向け、着々と作業が進められているということでありますけれども、武力攻撃事態等、不測の事態に備えるための指針がこの国民保護法であり、本市が策定しようとしている国民保護計画であろうと思われるわけですけれども、国民保護法に示されていない個別具体的行動について、その根拠をどこに求めるのかということが、恐らく今度、この国民保護計画が策定された後に一番大きな問題、課題として呈せられる、残ってくる部分なのかなと思うわけです。 余り時間もなくなって、恐らく質問もこれで終わってしまうのかなという気がいたしますけれども、その個別具体的行動、国民保護法に示されていない部分の根拠をどこに求めるかということ、この辺をお聞かせください。 ◎総務部長(猪狩正利君) 国民保護法では、市の国民保護計画の策定を求めておるわけでございますけれども、その策定と同時に作成が求められております避難マニュアル等が具体的行動指針や根拠になるものと考えてございます。 ◆13番(木田孝司君) 残り1分を切ってしまいました。たくさん設問を用意し、執行部の皆様にも御答弁いただく予定でありましたけれども、いかんせん時間がございません。残念ながら私の今回20回目の登壇、中途半端な形に終わってしまいますが、残り任期2年、しっかりとまたこの議場で、この席から質問を投げかけさせていただくことをお約束しながら、降壇したいと思います。(拍手) ○議長(藁谷利男君) ここで、午後1時まで休憩いたします。            午前11時51分 休憩           ------------            午後1時00分 開議 △松本正美君質問 ○副議長(鈴木利之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。5番松本正美君。          〔5番松本正美君第二演壇に登壇〕 ◆5番(松本正美君) (拍手)5番清和会の松本正美です。私ごとで恐縮ですが、昨年の9月11日、多くの市民の皆様、先輩諸氏の温かい声援、支援を受け、市議会議員に当選させていただき、早くも1年が過ぎました。大変僣越ではありますが、同日の選挙で、活力にあふれ、成長し続ける、住む人々の満足度日本一のいわき市をつくると、熱い思いのもと当選された櫛田市長と志を同じくして選挙を戦った者として、この1年間の議員生活を踏まえ、本日の一般質問に立たせていただきたいと思います。 さて、本市は、よく言われるように、豊かな自然、温暖な気候、また首都圏に隣接し、仙台、大陸の玄関口でもある新潟市にも2時間程度で行けるという恵まれたところに位置しており、その潜在力は極めて高いものです。本市のすばらしさは、私のように高校卒業後しばらく地元を離れ生活してきた者の方がより実感できるかもしれません。また、本市が人口、工場出荷額等を基準にすれば、東北第2の都市という言葉は、本市の方々より、別の市の方々より多く聞かれます。本市の姿の大きさは、むしろ他市の方々の方が大きく感じているかもしれません。 ところが、ここに大変ショッキングなレポートがあります。いわき未来づくりセンターで発刊された未来2005年の6号、この中のいわきのまちづくりの視点、方向性の中に記載されている将来の人口動態に関してです。結論から言いますと、既に以前から減少が続いている。現在、35万3,000人程度の本市は、今後についても、全国平均よりはるかに速いスピードで人口が減り、そしてそれは減り続け、2015年には34万人、2030年には29万9,000人と、30万人を切ってしまうという数字です。率にして、2005年比2015年はマイナス4%、2030年はマイナス15.6%。これに対し、全国の人口は、2015年は予想で1億2,626万6,000人でマイナス1.2%、2030年は1億1,758万人でマイナス8%となっております。ちなみに、郡山市は、今でも人口がふえ続けていますが、現在、33万9,000人程度の人口が、2015年にはまだふえて34万2,000人程度となり、本市を追い抜き、2030年でも32万6,000人を維持するというものです。これは、2005年比マイナス4%でおさまるということです。つまり、人口についていえば、本市は全国よりも倍以上のスピードで減少し、郡山市は2分の1以下のスピードでしか減少していかないということです。 ところで、人口についてはもう1つ大きな問題があります。いわゆる中身の問題です。人口についての統計では、14歳以下を年少、15から64歳を生産年齢、65歳以上を老年としておりますが、今後、年少、生産年齢の比率が大きく下がり、老年層が飛躍的に比率を上げるということです。2005年段階では、年少、生産年齢、老年の比率がそれぞれ14.9%、63.4%、21.6%であったものが、2015年には年少13.8%、マイナス0.9%、生産年齢が60.2%、マイナス3.2%、そして老年人口が26.6%、プラス5%。2030年には、そのおのおのが12.7%、これは2005年比マイナス2.2%、57.7%で5.7%マイナス、29.6%でプラス8%と予測されています。いわゆる少子・高齢化ですが、私が言いたいのは、本市の場合のように、全体の人口減少スピードが速い場合には、いわゆる少子・高齢化に伴う支出の問題がより大きな課題となり得るということです。 社会保障費の増大、消費・生産の落ち込みによる地元経済の停滞、またそれらにもたらさせる市の財政問題の深刻化等々、これらの問題は、日本全体の問題ではありますが、人口減少スピードの急激な本市には、より早い適切な対応が求められることになります。 もとより人口問題は大きく、大変困難な問題です。また、これらを解決するには、あらゆる角度からの対策が必要でしょう。いや、むしろ人口問題は、それらの支えがうまくいっているか、結果論かもしれません。しかしながら、元気な幼児・児童の声が町中にあふれ、熟年の方が生き生きと生活し、市外から国外からたくさんの人がいわきを訪れ、本市のよさを理解していただき、多くの企業が本市に豊かな経済をもたらし、またそういったいわき市をつくるために、多くの方々が文字どおり市政に参画し、それを実感できる、そんな活力にあふれる成長し続ける、ふるさといわき市をつくるために、幾つか質問、要望させていただきます。 まず初めに、課題に対応するための組織について御質問いたします。 大きな課題に対応するには、それにふさわしい組織、器が必要となります。組織のあり方は、その組織の問題意識を具現化しているものと思うからです。本市では現在、行政機構改革が検討されていますが、それについて質問いたします。 まず、行政機構改革の実施に当たって、人口問題などの市の現状や将来像をどのように認識しているか、御見解をお示しください。 ◎総務部長(猪狩正利君) 本市を取り巻く環境は、予想を上回る総人口の減少、人口構造の変化、少子・高齢化の進行を初め、三位一体の改革等の影響による厳しい財政状況、安全・安心を求める市民意識の高まり、情報技術の急速な発展などにより、さまざまな面で急激に変化しているものと認識しております。 これらの変化に的確に対応し、新・市総合計画基本構想に示されている、めざしていく『いわき』の姿を具現化するためには、改定基本計画に基づく各種施策を着実に展開していく必要があるほか、厳しい行財政状況を踏まえた簡素で効率的な組織の構築と、限られた行政資源を有効に活用するための市民志向、成果志向の新たな行財政運営システムの構築が必要であるとの考え方に基づき、現在、全庁的な組織・機構の見直しに取り組んでいるものであります。 ◆5番(松本正美君) それでは、現在の市の課題としては、どのようなものがあると考えておられますかお願いいたします。 ◎総務部長(猪狩正利君) 市といたしましては、極めて厳しい財政状況におきましても、将来の世代に責任を持ちながら、より一層市民福祉の増進に努める必要があり、そのため、第5次市行財政改革大綱に掲げた自主・自立の行財政運営の確立を図ることが最大の課題であると認識しております。今回の行政機構改革につきましても、この行財政改革の目的を達成するための取り組みの1つとして実施しているものでございます。 ◆5番(松本正美君) いわゆる提言に示された今回の行政機構改革の基本理念はどのようなものでしょうか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 今回の行政機構改革に当たりましては、市民参画の観点から、市行政機構改革市民委員会を設置し、機構改革の基本的事項に関して協議検討をいただき、7月に市行政機構改革に関する提言をいただいたところでありますが、提言では、行政機構改革の基本理念として、1つとして、行政経営の視点を取り入れた組織づくり、2つとして、庁内分権による自律型組織づくり、3つとして、簡素で効率的な組織づくり、4つとして、組織横断的な連携を進める組織づくり、5つとして、市民との協働や民間活力の活用を進めるための組織づくり、6つとして、学習する組織づくり、この6点が示されております。 ◆5番(松本正美君) それらのことの中で、複雑・多様化する市民ニーズや急速に変化する環境に対応するため、どのような組織とするお考えですか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 市民ニーズや環境の変化に的確に対応する観点から、組織の大くくり化や関連業務の集約による簡素で効率的な組織づくりを目指すとともに、グループ制の導入等による柔軟な組織編成を可能とする仕組みや、組織横断的な連携の強化による業務執行体制の確立に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆5番(松本正美君) 行政機構改革の方向性の中に、顧客満足度の向上として、市民を顧客と考えているという文章がございますが、すばらしい考えだと思います。 それでは、具体的にはどこにそれが反映されていますか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 今回の行政機構改革におきましては、市民に対して直接サービスを提供する部門へ権限を移譲することにより、意思決定の迅速化を図るほか、成果重視の行財政運営の実現に向け、目標達成状況を把握する仕組みを整備するとともに、部局間の連携を強化することなどを通して、市民満足度の向上を図ってまいりたいと考えております。 ◆5番(松本正美君) ワンストップ窓口という発想がございますが、これは窓口の発想ですが、組織そのものにワンストップ化という発想が必要ではないでしょうか。これは、市民から見て、その人が必要とするサービスをできるだけ1つの組織で対応してもらうという発想ですが、いかがでしょうか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 行政サービスの提供に当たりましては、これまでも、利用される市民の皆様の利便性に配慮して、窓口業務の一元化などを進めてきたところでありますが、今後におきましても、サービス提供体制の効率性に留意しながら、可能な限り行政サービスのワンストップ化を初め、関連分野ごとの組織の大くくり化や関連施策の一元化に努めてまいりたいと考えております。 ◆5番(松本正美君) 今までの組織は、どちらかというと窓口でも、また何か相談することでも、仕事の上で訪問したとしても、各課を回るということが多かったと思います。きめ細かく、また顧客サービスという面からは、できるだけ市民が1つの窓口、1つの課、1つの部で済むようにすべきだと思います。そのためには、何を課とすべきか、部とすべきか、より市民から見た使い勝手が要求されます。いわば市民から見た市民の視線の延長上に自然に1つの部・課があり、それが自分たちとつながっているという感覚です。そういった組織は、市民の信頼度が増すものともなるとも思われます。 さて、次は、より具体論に入ります。 まず、少子・高齢化の問題ですが、初めに確認しておきたいのは、少子化の問題と高齢化の問題は全く次元が異なる問題であるということです。少子化問題は、彼らの家族を含め、いかに家族が住みやすく、子供を産みやすく、健やかに育てるかという積極的な行政関与が今まさにこれから求められているものです。また、その施策を地方間で競い合い、ある意味、予算の面でも増額を検討すべき問題です。 一方、高齢化問題は、今後ふえ続ける高齢者に対し、いかに生きがいを持って健康に生活していけるかという問題です。しかしながら、このことは単に社会保障費の増大を防ぐという消極的な意味合いばかりではありません。将来、人口減少がより大きく、労働の担い手不足の深刻化が懸念される本市にとっては、まさにその貴重な経験と実績を生かし、経済活力を維持することにつながることや、また同じく担い手の不足が懸念される地域コミュニティーの活性化のためにも、大変大きな課題であるという積極的な意味が大きいことも明記しておくべきです。 そこで、まず元気な幼児・児童の声が町中にあふれるいわき市をつくるために、以下質問いたします。 最初に、幼児教育についてですが、国においては、子供を取り巻く環境の変化をふまえた今後の幼児教育のあり方、これは平成17年1月28日の中教審答申、少子化社会対策推進委員会報告、それらを踏まえた上での少子化社会対策会議決定による新しい社会化対策、これは平成18年6月20日に出ております。本市においても、新・いわき市子育て支援計画や平成16年2月のいわき市立幼稚園のあり方について、これはいわき市幼児教育審議会答申、平成18年2月のいわき市における保育所整備の具体策について、これはいわき市社会福祉審議会の答申等、数々の新たな提言がなされています。これらはまさに国も市も、幼児教育について、戦略的課題、これからの大きな課題ととらえていることの証左と言えますが、ところで、それらの議論の中から生まれてきた認定こども園についてお聞きします。 まず、認定こども園の制定経緯はどのようなものでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 少子化が進行する中、保育所においては、全国的に待機児童が増大し、一方では幼稚園児が減少し続け、さらには地域における子育て機能が低下していることなど、就学前の児童を取り巻く環境の変化に対処するため、国は平成16年3月、規制改革・民間開放推進3か年計画を閣議決定し、その中で、就学前の教育・保育を一体としてとらえた総合施設、いわゆる総合施設の実現に向けた方針を定めました。 これを受け、平成17年度の全国35カ所でのモデル事業の実施、そして本年3月の事業評価を経て、総合施設の名称を認定こども園と改め、本年6月9日、当該施設の設置を内容とする就学前の子供に関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律が成立いたしました。 ◆5番(松本正美君) 今の質問に関連しますが、それでは、でき上がった現在の認定こども園の制度内容はどのようなものでしょうか。簡単にお示しください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 認定こども園制度は、幼稚園・保育所のうち、就学前の子供に教育及び保育を提供する機能及び地域における子育て支援機能など、一定の要件を備えるものについて、都道府県が認定こども園として認定するものであります。 また、実施類型につきましては、認可幼稚園と認可保育所が連携して一体的な運営を行う幼保連携型、既存の認可幼稚園が保育所的な機能を備える幼稚園型、既存の保育所が幼稚園的な機能を備える保育所型などとなっております。 なお、認定の基準については、国の指針を参酌して都道府県が条例で定めることとなっておりますが、福島県においては本年12月議会で条例を制定し、来年4月から実施する方針であると聞いております。 ◆5番(松本正美君) 話は変わりますが、では、本市における保育行政の担当窓口は、今、どちらになっていますか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 市の保育行政全般につきましては、保健福祉部児童家庭課が担当窓口となっておりますが、保育所に係る入所申し込みや入所決定につきましては、市内7カ所の地区保健福祉センターが担当窓口となっております。 ◆5番(松本正美君) それでは、本市における幼稚園行政の窓口について伺います。 ◎教育部長(山田満君) 市の幼稚園行政の窓口は、各地区に設置された公立幼稚園が市民と接するより身近な立場での窓口となり、さらに、その公立幼稚園を統括する立場で、教育委員会学校教育課が窓口となっております。ただし、私立幼稚園の設置の認可等に関しましては、県の所管となります。 ◆5番(松本正美君) 認定こども園の国の担当窓口はどちらですか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 国におきましては、本年7月1日より、就学前の教育・保育に関する文部科学省と厚生労働省の連携を強化し、認定こども園に係る一元的な対応を行うことを目的として、両省に幼保連携推進室を設置し、電話回線の共用化、遠隔会議システムの導入並びに統一のメールアドレスを設けることなどにより、総合的事務処理及び意思決定を可能とする体制を確保したところであります。 ◆5番(松本正美君) それでは、認定こども園の本市の担当窓口はどちらになりますか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 認定こども園につきましては、保育所を所管する児童家庭課と幼稚園を所管する学校教育課が担当となることから、現在は両課で連携して担当しております。 ◆5番(松本正美君) ところで、先ほど申し上げましたように、本市においては、いわき市立幼稚園のあり方についてとしての答申が平成16年2月になされていますが、その進捗はどういった形になっているでしょうか。 ◎教育部長(山田満君) おただしの市幼児教育振興審議会からの答申の中には、統廃合に関する意見もございますが、それらを含めた適正配置のほかに、地域の幼児教育センターとしての子育て支援や障がい児に対する統合保育などの教育内容の見直しなどがあり、さらには国より新たに示されました認定こども園など、幼児教育を取り巻く環境の変化に柔軟に対応するため、現在、公立幼稚園のあり方について、総合的に検討を進めているところでございます。 ◆5番(松本正美君) 公立保育園については、いわき市における保育所整備の具体策についてとしての答申が本年2月になされています。その進捗はいかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 本年2月に、市社会福祉審議会児童福祉専門分科会から受けた答申の内容といたしましては、公立保育所の民営化並びに統廃合を含めた施設整備について方向性が示されたものでありますことから、市といたしましても、答申内容に基づく方針での実施に向け、準備を進めているところであります。 公立保育所の民営化につきましては、4年程度の期間ごとに4カ所程度ずつ民営化を実施する予定としており、現在は、対象となる保育所の保護者会や法人立保育所に対して意見をお聞きしているところであります。 ◆5番(松本正美君) 公立幼稚園における認定こども園導入計画について伺います。 ◎教育部長(山田満君) 公立幼稚園における認定こども園の導入につきましては、これまでも検討を進めてきたところでございますが、このほど監督官庁であります福島県主催の初めての説明会が開催されたこともあり、それらの内容等を踏まえながら、今後も庁内関係部と協議を進めてまいりたいと考えております。 ◆5番(松本正美君) 公立保育所の統廃合の中で、認定こども園を導入する計画はあるのでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 認定こども園の導入については、公立・民間を問わず、また保育所ばかりでなく、幼稚園への影響も生じることから、本市における導入に際してのメリット・デメリットを見きわめた上で、市社会福祉審議会や保護者の皆様の意見をいただきながら、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆5番(松本正美君) 以上を踏まえますと、どうも私には、幼稚園行政も保育園行政も同じ方向に向かっているという感じがします。また、先ほど認定こども園をある1つの象徴として、国の方もそういった一体的な体制をとるのかのように感じております。 そういった実態や、また地域社会の教育力の低下、家庭の教育力の低下、そういったものを考えますと、また、今、国で進められています幼児教育の義務教育化等を踏まえますと、窓口は一本化された方がいいと思いますがいかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 国におきましては、就学前の子供に関する教育・保育等の総合的な提供の推進に関する法律を制定し、本年10月1日に施行されることから、市といたしましては、法の趣旨にのっとり、子育て支援機能の総合的な提供などの観点を重視しながら、窓口の問題も含めまして、引き続き幼児教育と保育の一本化について、教育委員会と連携を図りながら検討してまいりたいと考えております。 ◆5番(松本正美君) 大変今、前向きな御答弁をいただいてありがたいんですが、ちなみに全国においては、もう既にそういった組織が相当できておりまして、実は私どもの方の清和会でも、せんだって豊田市の、ここは子ども部ということでなっておりますが、そういったところ、例えば県内におきましても、本宮町の教育課とか、三春町の教育課幼児教育グループとか、やはりかなりこういった一体化を進めていこうという流れができているかのように感じます。ぜひとも本市においても、幼児教育のさらなる行政進展のためにも、ぜひとも一本化ということを御検討いただければと思います。 ところで、今、共働き家族の常態化や放課後の安全等を考慮し、いわゆる放課後児童クラブがふえているとお聞きしますが、本市においては過去5年間でどのような推移となっておりますか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 過去5年間の放課後児童クラブ数につきましては、平成13年度が14カ所、平成14年度が21カ所、平成15年度が23カ所、平成16年度が28カ所、平成17年度が30カ所となっております。 ◆5番(松本正美君) それでは、そちらを利用している児童数は、過去5年間でどのような推移になっておるでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 過去5年間の放課後児童クラブの利用児童数につきましては、平成13年度が693名、平成14年度が756名、平成15年度が971名、平成16年度が1,099名、平成17年度が1,174名となっております。 ◆5番(松本正美君) それでは、今、問題が深刻化しております児童虐待の、市としての担当窓口はどちらでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 児童虐待を含めて、児童福祉行政に関しましては、児童家庭課及び市内7カ所の地区保健福祉センターが担当窓口となっております。 ◆5番(松本正美君) 以上の話を踏まえますと、先ほど申し上げました幼児教育の一元化された窓口に、やはり放課後児童クラブや児童虐待、子育て支援等の多くの問題を総合的に扱う窓口という意味合いを持たせることを提言したいと思います。 先ほども申し上げましたが、先進地である愛知県豊田市におきましては、子ども部という名のもとに、中学生までの学校教育以外のすべての幼児教育、並びに学童教育にかかわる問題を担当している例を挙げておきたいと思います。 それでは、次に経験豊かな熟年の方々が生き生きと生活できるいわき市をつくるために関する質問をさせていただきます。 これは、高齢化対策に関することですが、先ほど申し上げましたように、私は積極的な意味合いからの質問とさせていただきます。 そこで、まず初めは、この問題に大きなインパクトを与える2007年問題について幾つか質問します。これについては、昨日、阿部議員も詳しく質問されていますので、若干ダブるところがあるかと思いますが、御容赦いただきたいと思います。 そこで、1つ目は、市内における団塊の世代、57歳から59歳までの人数は何人でしょうか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 平成17年度の国勢調査の結果に基づきますと、57歳から59歳までのいわゆる団塊の世代の人口は、約1万8,000人となっております。 ◆5番(松本正美君) ところで、全国では、2007年から3年間に定年を迎える人数が680万人とも言われています。そこで、それらの方々の定住政策の窓口は本市においてはどちらになるでしょうか。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) いわゆる2007年問題に端を発しますふるさと回帰希望者の定住促進に向けては、住居、就労、医療・福祉など、実に多岐にわたる施策展開が必要となってまいります。また、行政のみならず、民間団体等との協働による取り組みも必要でございます。このようなことから、いわき商工会議所を中心に、県、市、JA等の関係機関連携のもと、今月25日には、さまざまな相談等に対応するワンストップ窓口として、(仮称)IWAKIふるさと誘致センターが設置されることとなっております。 市といたしましても、市政全般にかかわるものであるとの認識から、企画調整部地域振興課を窓口として、当該センターの活動に積極的に参画してまいりたいと考えております。 ◆5番(松本正美君) 今の部長の御発言で、やはりそういった問題、一元的に、これは定住政策の窓口ということではありますが、そういった考えがあるということをお聞きして、大変心強く思います。 ところで、団塊の世代の方々を初め、熟年の方々は、まだまだやる気のある、知識欲も好奇心も旺盛で、実行力のある方が多いのですが、定住問題ということにかかわらずに、それらの方々が、むしろ市内のそういった熟年の方々のという形の中でどういったニーズを持っているかという、その熟年層の方のニーズの把握というのはどうなっているでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 熟年層のニーズの把握につきましては、本年3月に策定いたしましたいわき市高齢者保健福祉計画の検討の中で、40歳から64歳の方2,500名を対象に、10年後の家族同居形態や就業状況、地域活動の参加意欲、住まいの状況など、生活の基礎的な志向について、平成17年1月にアンケートを実施しております。 その結果を見ますと、10年後に生活の中で大切にしたいことでは、旅行やレジャーなどへの趣向が高くなるなど、従来より高齢期の余暇の充実を望む傾向が見られます。 ◆5番(松本正美君) それでは、今ちょっと話がありましたが、熟年の方々には、地域ボランティアというものに対しても興味がある方も多いと聞いておりますが、本市における地域ボランティアの支援窓口というのはどちらになるでしょうか。 ◎市民生活部長(荒川喜一君) 熟年層を対象としましたボランティアに限らず、ボランティアに関する総合的な窓口につきましては市民生活部市民生活課となっております。 ◆5番(松本正美君) それでは、いわゆる介護を必要としない熟年層が生き生きと生活を送るために、全般的なアドバイスを受けたいと思うときの窓口はどちらになるでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 熟年層が生き生きと生活を送るためには、個人の意識、家族構成、住環境、就労環境などさまざまなニーズがあることから、行政として関与する窓口は多岐に及んでおり、各分野ごとに専門的に対応しているところであります。 ◆5番(松本正美君) 話は変わりますが、いろいろ行政の中で高齢者という場合には、何歳からを言うことになっているんでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 内閣府で発行している高齢社会白書においては、65歳以上の方を高齢者としております。また、老人福祉法におきましては、特例を除き65歳以上の方を福祉の措置の対象者としております。こうしたことから、本市におきましても、おおむね65歳以上の方々を高齢者としてとらえております。 また、近年、同じ高齢者でも、年齢が低い方と高い方では、年をとることに伴う身体機能の低下に差異が見られることなどから、65歳から74歳までを前期高齢者、75歳以上の方を後期高齢者と分けて分類する仕方も出てきております。 ◆5番(松本正美君) 本市にとって、高齢者問題を積極的に位置づけた場合、まず65歳というんではなくて、やはり60歳の定年やそれの準備期間も含めますと、55歳程度から対象として、広い意味での第二の人生についてのアドバイスを幅広く対応する窓口、健康、家族、地域、就職、ボランティア、あと趣味等、幅広く対応し、それに的確に対応する窓口、人生の職人を担当する、いわばマイスター課とでも言うべき課の創設を提案しますが、いかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 高齢者のニーズは多種多様にわたっており、その相談窓口は各所管部で各分野ごとに専門的に対応しているところでありますが、高齢者に対する総合的な担当窓口は長寿介護課となっております。 ◆5番(松本正美君) それでは、その長寿介護課は、やはりどちらかというと介護という言葉に引きずられるところ、これは当然だと思いますが、そういったことを踏まえまして、より幅広く対応するような、言葉をあげつらうわけでもないですけれども、マイスター課、やっぱりそういったある意味積極的な意味合いを含めたような課として、問題に対応をしていただければと思います。 このことは、先ほど幼児教育問題で一元化した、私流に言わせればキッズ課というものが、そういうことがもしできれば、幼児教育についてはキッズ課がある程度全部まとめ、そして50数歳以上のそういった方々にはマイスター課、この2つが一元的にそういった問題を、いわゆる少子・高齢化の問題にはその2課が総合的な対応をすると、こういう形がもしかすると市の活性化にとって、特にある意味大きな問題になっています世代交流ということの施策対応にもなるんじゃないかと思いますので、ぜひとも検討の方、よろしくお願い申し上げます。 さて、次に東京から、仙台から、新潟から、韓国からたくさんの方が訪れ、また来たくなるいわき市をつくるためにという形での御質問をさせていただきます。 これは、いわゆる交流人口、観光行政の問題です。私は、この問題を進めるには戦略性が大事だと思います。それは、訪れる側、ビジター側から見た観光行政です。よく観光を論ずるとき、スパリゾートハワイアンズや勿来海岸、アクアマリンやら・ら・ミュウに来た客を、線で別なところに誘導する施策展開が例として挙げられますが、確かにこれらに隣接する湯本や勿来、植田、小名浜などの商店街は、現在、大変寂しいものとなっており、これらの観光客層が流れ込むようにするとの施策は、方向は間違っていないものかもしれません。しかし、それは訪れた客の目的を考慮した対策を考えるべきです。 首都圏から土・日にスパリゾートやら・ら・ミュウに訪れた方々は、時間のない中で、できるだけスパリゾートの中で遊んでいたいとか、ら・ら・ミュウでできるだけ安くてよいものを買いたいと思って来ているかもしれないからです。彼らにとっては、時間をできるだけ目的で有効に使いたいと思っているはずです。そして、車が込まないうちに東京に帰りたいと思っているかもしれません。そういった短期型のビジターには、短期型で最大の効果があるように観光地を工夫し、数多いリピートをねらうべきです。 一方、バブル崩壊等によって、特に首都圏のサラリーマンたちは夏休みに3日、1週間程度、家族連れで、それまでは安く会社の保養所等を利用して泊まっておりました。しかし、バブルの崩壊により、そういった保養所がなくなり、休みはあるが、家族そろって3日とか1週間とか、そういう中期的に遊べる場所を探しているかもしれません。もし市内に3日、1週間程度の家族旅行やグループ旅行にふさわしいスポットがあれば、それは長期型のスポットとなります。このビジターは、1カ所にとどまりつつ、幾つかのスポットを回ります。それらに安い遊びの周遊券でもあれば、家族は毎年来るかもしれません。なお、今注目されている韓国や台湾や中国等からの観光誘致等も、ゴルフ等を考えますと、この範疇に入るかと思います。 また、短期型スポットに何度も訪れ、いわき市を気に入った方々や、何度か訪れた家族旅行での思い出を踏まえて、相談した窓口の対応のすばらしさや、試しに来たときの近隣の方々の優しさに触れて、定年前に第二のふるさととして、IターンやUターン、Jターンを考える人がふえるかもしれません。もしかすると、幼児教育のすばらしさ、子育ての先進市ということで、他市から移り住む若夫婦がふえるかもしれません。 要するに、定住人口の増加、これは観光行政というものは、ビジターの多様な要求にいかに適切にこたえるか、そういった行政を行っているかです。彼らは、短期的に来る場合、中期的に来る場合、定住、半定住で来る場合等では求めるものが違い、それらに満足しなければ、二度と他の目的でも来ないということです。もちろん観光行政、定住人口政策は、こんな単純なことですべて論じられるとは思いませんが、少なくとも入り口の部分で、ビジターという視線から見たこの切り口がなければ、飛躍的な増加は望めないと思います。 そこで、私が述べた意味でいって、次の幾つかの質問をさせていただきます。 まず、日帰り、1泊2日など、いわゆる短期型の市内観光スポットとしてはどこが考えられるのか伺います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 日帰りや1泊2日程度の観光スポットにつきましては、本市が、東京、仙台、新潟から約二、三時間の距離に位置していることや、いわき湯本温泉郷、アクアマリンパーク、塩屋埼灯台、国宝白水阿弥陀堂など、多彩で豊富な観光資源を有していることから、市内の主要な観光地すべてが対象になると考えております。 ◆5番(松本正美君) 短期型の市内観光スポットの観光入り込み客数はどの程度なのか伺います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 日帰りや1泊2日程度の観光入り込み客数につきましては、社団法人いわき市観光物産協会が平成14年に実施しましたいわき市観光客動向調査によれば、アンケート調査の対象となった冬期の観光客約6,800人のうち、日帰りと1泊2日の観光客の合計は全体の約95%を占めております。また、夏の期間の観光客約8,600人のうち、日帰りと1泊2日の観光客の合計は全体の約80%を占めております。 ◆5番(松本正美君) 1週間程度の中期型の市内観光スポットとして、例えば面なり線でとらえたときに、国内からの観光客向けにはどういったところが考えられるでしょうか。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 市内で1週間程度滞在できる場所といたしましては、温泉や鉱泉を利用して健康づくりをすることができる市内各地の旅館、釣りやマリンスポーツなどに便利な海辺の民宿、田舎暮らしや農業の体験ができる中山間地域の宿泊施設、スポーツ合宿に便利なトレーニング機器や練習場を備えた宿泊施設、社員研修に必要な会議室を有するホテルなどが考えられると思っております。 ◆5番(松本正美君) それでは、そこの中期型市内観光スポットの入り込み客数はどの程度なのか、もし統計があればお知らせください。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 中期型の観光入り込み客数につきましては、先ほど申し上げましたいわき市観光客動向調査によりますと、アンケート調査の対象となった冬期の観光客約6,800人のうち、2泊以上は全体の約5%となっております。また、夏の期間の場合には、約8,600人のうち、2泊以上は全体の約20%に上っておるということでございます。 ◆5番(松本正美君) それでは、1週間程度の中期型の市内観光スポットとして、外国からの観光客向けにはどこが考えられるか伺います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 1週間程度の外国人向け市内観光スポットにつきましては、日本三古泉の1つであるいわき湯本温泉郷や市内15のゴルフ場、スパリゾートハワイアンズ、アクアマリンパークなどが考えられると思っております。 ◆5番(松本正美君) 今おっしゃったような外国人観光客向けの中期型市内観光スポットの観光入り込み客数はどの程度なのか伺います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 福島県が実施した外国人客の宿泊状況調査によると、平成17年にいわき市内に宿泊した外国人観光客は2,385人であり、そのうちいわき湯本温泉宿泊者が2,081人となっております。 また、平成17年外国人のゴルフ場利用状況調査によれば、市内15のゴルフ場利用者は1,185人となっております。 残念ながら、その他の施設の入り込み客数につきましては、調査していない状況にございます。 ◆5番(松本正美君) 外国人観光客の誘致に向けては、どのようなセールスを行っているでしょうか。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 海外の観光誘客につきましては、いわき市観光物産協会を中心として、市や観光関係団体などで構成する観光ミッション団を組織し、これまで平成11年度、平成15年度、平成17年度には韓国のソウル市、平成12年度、平成16年度には中国の上海市への誘客活動を行ってきております。 今年度につきましても、11月に中国・上海市へのトップセールスを予定しており、観光関係政府機関を初め、各旅行エージェント等に対し、いわき湯本温泉や豊富な海産物、多彩なゴルフ場を紹介するなど、本市観光の魅力を積極的にPRし、誘客活動に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆5番(松本正美君) 定住、半定住、Uターンなど、いわゆる長期型の滞在を受け入れる市内スポットとしてはどこが考えられておりますか。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 本市は、海、山、渓谷、温泉など豊かで多彩な自然や良好な住宅団地を有しておりますことから、農山村での田舎暮らしを希望する方には中山間部、海釣りやマリンスポーツを楽しみたい方には海岸部、これまでの経験や専門知識などを活用して起業や地域活性化に取り組みたい方は市街地など、市内全域を対象にさまざまな目的に応じた長期滞在が可能であると考えております。 ◆5番(松本正美君) 長期型滞在数は、これはなかなかつかむのは難しいかもしれませんが、どの程度なのか伺います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 議員おただしのとおり、長期滞在者数につきましては、多様な形態が考えられますことから、正確に把握することは困難でありますが、市内各地に別荘としての二地域居住、都市生活者のふるさと回帰による定住、都市での勤務経験がある方のリタイア後の定住など、相当の滞在者数はあると考えております。 ◆5番(松本正美君) 以上、市としても短期、中期、長期という、その目的は別にしましても、いろいろ施策を打っているということは今のお話でわかりましたが、やはり今後、飛躍的にそういった交流人口をふやすには、より一層、そういった目的に応じた施策展開をお願いいたしたいと思います。観光行政、定住行政というのは、市外の方々が見た場合に、いわき市行政の通信簿という考え方もあるかと思いますので、ぜひともそちらの御対応をよろしくお願い申し上げます。 それでは、次に5番目の何のための、だれのための企業誘致かということについて質問をさせていただきます。 これは、地域経済の活性化に大きく寄与する企業誘致の問題ですが、まず初めに、本市における企業誘致の取り組みはどのような状況になっているでしょうか。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 企業誘致の取り組み状況といたしましては、まずインターネットや各種広告媒体を活用し、工場等立地奨励金等のすぐれた立地優遇施策や災害が少なく温暖な気候等、本市の立地優位性の効果的な発信に努めております。 また、市東京事務所を初め、拡充した市企業誘致専門員、本市ゆかりの在京経済人や日本立地センター並びに金融機関等、企業立地に関する情報を有する機関・団体等との連携のもと、企業の立地情報を迅速・的確にとらえながら、効率的な企業訪問や団地案内などに取り組んでおります。 特に、いわき四倉中核工業団地につきましては、事業主体である中小企業基盤整備機構、県及び本市で組織するいわき四倉中核工業団地企業誘致促進協議会を組織し、各機関が一致協力した体制の中で積極的な誘致活動を展開しております。 ◆5番(松本正美君) 例えば、三重県の場合ですと、亀山市のような戦略的な取り組みというのがあるかと思うんですが、本市においてはどういったものがあるでしょうか。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 戦略的な企業誘致の取り組みといたしましては、首都圏近接性や輸送網の充実、また豊富な労働力など、本市の地域特性を踏まえ、今後も成長が期待でき、関連企業の集積が期待できるなどの観点から、電子部品・デバイス製造業、食品製造業、医療・福祉関連分野、バイオテクノロジー関連分野等、重点誘致8業種を定め、効率的な誘致活動を展開しております。 ◆5番(松本正美君) 市内工業団地の分譲状況はどのようなものになっているでしょうか。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 市内15の工業団地のうち、小名浜臨海工業団地や常磐鹿島工業団地など10カ所の工業団地が既に完売しており、現在分譲中の工業団地は、いわき四倉中核工業団地を含め5団地となっております。 その分譲率は、高い順から申し上げますと、いわき好間中核工業団地が約99%、赤井テクノパークが約88%、いわき中部工業団地が約86%、いわき四倉中核工業団地が約8%、銭田工業団地が約6%となっております。 ◆5番(松本正美君) 工場等立地奨励金の交付状況はどのようなものでしょうか。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 過去5年間で申し上げますと、平成13年度は3件で2,020万円、平成14年度は2件で1,295万円、平成15年度は2件で912万円、平成16年度は3件で2億1,606万円、平成17年度は12件で7億93万円となっております。 ◆5番(松本正美君) それらの奨励金交付における経済波及効果はどのようなものでしょうか。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 奨励金交付における経済波及効果について、まず雇用創出効果につきましては、過去5年間の実績で申し上げますと、15社で149名が新規に雇用されており、そのうち地元からの雇用は約91%の135名となっております。 また、過去5年間の工場新設に係る設備投資額約71億円のうち、約40%、約28億円が地元事業者への発注となっているほか、生産活動による市内企業間取引の活発化、さらに税収効果など、さまざまな面において地域経済の活性化に大きく寄与しているものと考えております。 ◆5番(松本正美君) 立地企業のニーズの把握はどのように行っておりますか。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) ニーズの把握につきましては、これまで本市に進出した首都圏企業を主な対象として、いわき進出企業懇談会を年1回開催し、行政に対する要望など、意見交換を行っております。 また、平成15年度から平成17年度にかけて、延べ775社の市内企業に対して、設備投資計画や行政への要望等のアンケートを実施し、企業ニーズの把握に努めてきたところであります。 さらに、今年度につきましては、県いわき地方振興局、県ハイテクプラザいわき技術支援センター、いわき商工会議所と連携して、市内の製造業約600社を対象に、企業間の取引状況や設備投資意欲を把握するためのアンケート、ヒアリング調査を現在実施しているところであり、さらなる企業ニーズの把握に努めているところであります。 ◆5番(松本正美君) いわゆるこういった厳しい財政状況の中、奨励金を交付し行っている企業誘致の目的は何でしょうか。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 奨励金に係る効果といたしましては、先ほど申し上げましたように、地元雇用、設備投資に係る地元事業者への発注、さらには税収効果、市内間の取引の活発化等、多数考えられることであり、今後とも費用対効果を見きわめながら、奨励金を効果的に、効率的に交付しながら、企業誘致に努めてまいりたいと考えております。 ◆5番(松本正美君) 企業誘致は、もちろん多くの各地方間で今、取り合いとなっている状況ですから、なかなか本市の思惑どおりにはいかないと思います。奨励金の高さよりも、むしろそれ以後のフォローアップ、地元企業との接点を多くもち、つき合うことが、結果的には進出企業の地元化を進め、波及効果も高くなると聞いております。明確な戦略のもと、よりきめ細やかなフォローアップをお願いしたいと思います。 さて、時間が大分なくなってきましたが、最後に市長の考えができるだけ多くの市民に伝わり、また多様な市民の考えを市政に反映させるようにするためにという項目についての質問をさせていただきます。 特に、市政におけるこういった改革期においては、進むべき方向性をトップみずからが語り、みずからができるだけ多くの市民の声に耳を傾けることが必要です。 そこで、さわやかミーティング事業についてお聞きします。事業の趣旨についてお聞かせください。 ◎総務部長(猪狩正利君) 今年度から実施しておりますさわやかミーティング事業は、市長が市民と語る・ふれあうをテーマに、市長みずからまちに出向いて、市民の皆様の声を直接聞き、そして対話することによって、市民の皆様のニーズを的確に把握し、市政に反映させ、相互理解に基づく市政運営の推進を図ることを趣旨としております。 主な事業内容といたしましては、市長が昼休みの時間帯に各支所において、来所した市民の皆様と自由に懇談する昼時‘こんにちは,トーク、市内各地区において地域づくりなどの活動をしている市民の皆様と、仕事が終わる夕方の時間帯にひざを交えて懇談する夕時‘おばんです,トークの2つの新たな事業、及びこれまでも行われていました市長や関係部長が各地区の課題や提案を直接聞き、懇談するまちづくり懇談会を実施するものであります。 ◆5番(松本正美君) 市民の反応はいかがでしたか。 ◎総務部長(猪狩正利君) 昼時‘こんにちは,トークにつきましては、市長と和やかな雰囲気の中で自由に意見交換ができて、有意義だったという感想の参加者がほとんどでありました。 また、鹿島地区まちづくり懇談会につきましても、さきに地域の方々がまとめ上げました地域づくり構想を行政と協働で実現していこうという視点に立って、闊達な意見交換が行われ、参加した地域の皆様から、これまた大変有意義な懇談会であったとの感想をいただいております。
    ◆5番(松本正美君) 最後に、そういったものを行っての市長の御感想をいただければと思います。 ◎市長(櫛田一男君) まず、昼時‘こんにちは,トークにおきましては、市民の皆様とざっくばらんに話をすることを通じまして、さまざまな分野における熱意のある取り組みがふるさといわきを支えていることを改めて実感したところであります。また、市民の皆様と直接話をすることで、私自身への期待の大きさを肌で感じ、身が引き締まるような思いで過ごしてきたことを思い出しております。さらに、私自身の考えや思いも市民の皆様に伝えることができ、相互理解を一層深めることができるものと考えております。 また、まちづくり懇談会におきましては、情熱あふれる皆様との懇談の中で、多くの貴重なアイデアをいただくことができました。可能な限り、この具現化を進めてまいりたいと考えております。 また、今後もこれらの事業を通じまして、私自身の声と市民の皆様の声を共鳴させながら、元気なまち いわきをつくり出していきたいと思っておりますが、それと同時並行に、市の職員の若い方々と市庁舎内で昼飯をともにする会合も何度か経験しておりますけれども、今、技術的な若い職員、あるいは一般職の若い職員の方々の非常にフレキシブルでユニークなアイデアそのものが、どんどん昼飯の終わりに近づいたころ出てまいりますので、時間設定を考えながらやっていくと、もっと濃度の濃いものができるものと思っております。 そういうことで、大勢の皆さんと話をすることは、今まではなかなか一方通行であった市政運営というものの相互的な関係を構築する上では非常に有効であると考えておりますので、これからもどんどん続けていきたいなと思っております。 ○副議長(鈴木利之君) ここで、午後2時30分まで休憩いたします。            午後2時02分 休憩           ------------            午後2時30分 開議 △安部泰男君質問 ○副議長(鈴木利之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。32番安部泰男君。          〔32番安部泰男君第二演壇に登壇〕 ◆32番(安部泰男君) (拍手)32番公明党の安部泰男であります。私は、市政一般について、通告順に従って質問してまいります。 今、いわき市政が取り組んでおりますだれもが安全で安心して暮らせるまちづくり、これには防災、防犯などの側面から、市民の生命、財産を守るという観点と、さらには、いつでも、だれでも、どこでも、適切な医療サービスを受けられる環境の整備と充実が必要であります。そして、言うまでもなく、この医療サービスの充実は、市民が住んでよかったと感じる魅力あるまち、また住み続けたいと実感できる活力のあるまちを実現するための必須条件の1つであります。しかし、最近、いつでも、だれでも、どこでもという医療サービスを得られる条件を満たしている地域とそうでない地域が顕著になりつつあり、市民が地域間の格差を感じているのではないかと危惧しているところであります。 くしくも、今、先ほどの質問にもありましたが、豊かな自然と年間を通して温暖な気候のいわき市に定住をと、二地域居住促進を全国的に発信する矢先に、地域医療の信頼が揺らぐことがあっては、安全で安心なまちの要件を欠くこととなりますし、交流ネットワーク都市を標榜する本市に大きな影響を与えることにもなりかねません。 こうしたことから、いわきの地域医療の現状を正しく分析することはもとより、住民に最も身近な自治体として、今、いわき市がどのような対応策を考え、取り組んでいるのかということを明らかにしながら、全力を挙げているという姿勢を市民並びに県内外へ向けて広く情報発信していくことが重要であります。このような観点から、市立病院について伺ってまいります。 2年前に導入されました卒後臨床研修医制度から、都市部に医師が集中する傾向が強まり、地方における医師不足が深刻な問題になっておりますが、新聞報道でも見られるように、病院の勤務医師の不足が顕著で、現在、病院事業改革に取り組んでいるいわき市立病院もその例外ではなくなってまいりました。市長を初め、関係各位におかれましては、このような事態の対応に今、取り組まれているところでありまして、その御苦労に敬意を表する次第であります。 さて、自治体病院は公平で良質な医療を住民に供給することを目的としておりますが、政策的に必要な医療である高度医療、救急医療、小児科、周産期医療は不採算になりやすく、民間病院による提供が難しいところから、特に期待されている分野であります。総合磐城共立病院は、浜通り地区の中核病院として、市民の健康と生命を守るため、安全で安心の医療を提供する病院として、市民から大きな期待を寄せられているところでありまして、総じていわき市立病院は名実ともに市民の医療を担う最後のとりでとして、これまで市民の血税を注ぎ、守ってきた病院であると認識しております。 そこで、まず市立病院の医師不足に対応するため、県に対して医師派遣の要請をされていますが、その状況についてお示しいただきたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 県への医師派遣要請につきましては、本年度創設された医師派遣制度に基づき、本年3月に、総合磐城共立病院においては、呼吸器内科1名、整形外科1名、循環器科1名の合計3名、常磐病院におきましては、泌尿器科1名、整形外科1名の合計2名と、両院合わせまして5名の医師派遣要請を行ったところでありますが、派遣が見送られましたことから、本年の6月26日に、市長を先頭にいたしまして、県に対し、地域医療の中核を担う本市立病院の医師不足の切実さというものを訴えるとともに、さきの3月の要請内容に常磐病院で外科1名を追加いたしまして、再度、合わせて6名の医師派遣の要請を行ってきたところであります。 ◆32番(安部泰男君) ただいま、6月26日に再度6名の要請をしてまいったという経過の御説明がありましたけれども、この6名について、新聞報道もその後ありましたけれども、現在のところ、まだ確定はしていないかもしれませんが、この6名について、間違いなく、例えばこちらの方に派遣をしていただけるという確証があるのかどうか、そこをまずお尋ねしたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 6名すべてについて当市に派遣されるというような御回答は、正式には県からはいただいてございません。ただ、当市の実情というものをつぶさに訴えてまいりました結果、県が真摯に御理解していただいての9月の補正予算措置であると承っております。 したがいまして、6名全部というわけには、なかなか県全体枠での御判断もあろうかと思いますが、十分に当市の実情を御理解いただいて、何らかの対応をしていただけるものと認識してございます。 ◆32番(安部泰男君) 6名全部という結果になるかどうかわからないというお話ですけれども、感触としてどうですか、6名のうち何名ぐらい来るのかなといったことは、今現在、把握しておられるかどうかという点についてちょっとお尋ねします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 一部新聞報道等がございまして、速やかに県にその旨確認をしたところでありますが、まだ具体のものについては、正式なルートでは承ることはできませんでした。 ◆32番(安部泰男君) そうしますと、例えば6名来るかどうかわかりませんけれども、6名をぜひいわきの市立病院に派遣していただきたいというしっかりした目的があって要請したわけでありますから、例えば6名が4名になったと、その後については、もう一度、さらに医師派遣の要請を引き続きやっていくのかどうかといった点についてお尋ねします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 医師確保は当病院事業改革の一番重要なポイントでございます。引き続きまして、あらゆる機会をとらえまして関係する方面に要請活動を続けてまいりたい、こういったことを基本に据えてございますので、今、議員からお話がありましたように、今回の県の制度に基づきます派遣措置につきましても、明年度の対策もございますので、機会をとらえまして積極的に対処してまいりたいと考えております。 ◆32番(安部泰男君) それでは、次に市立病院の現在の診療状況をお示しいただきたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 平成18年4月以降の診療体制につきましては、まず共立病院では、産婦人科が5月から、小児科が6月から、心臓血管外科が8月から、医師不足によりまして診療を一部制限するなどの対応を余儀なくされております。また、10月からは、神経内科医師3名の医局への引き揚げが予定されておりますことから、新たに診療制限をせざるを得ない厳しい状況となっております。 一方、常磐病院におきましては、本年4月以降、新たな診療制限は実施していないものの、眼科や婦人科におきまして、従前から継続して診療を一部制限している状況にございます。 ◆32番(安部泰男君) そういう大変厳しい状況があるわけでありますが、こういった市立病院の医師不足により、診療体制が変更されまして、市民に御不便をおかけする事態になっているわけであります。こういった診療内容の変更を市民の皆様にはどういう形で説明し、御理解をいただいているのかお伺いします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 医師の退職等によりまして、診療する患者さんを制限するなど、診療体制の変更を行う場合には、その理由や内容、それから実施時期などにつきまして、速やかに関係医療機関等にお知らせをし、協力要請を行います一方で、市民の皆様に対しましては、広報いわきや病院ホームページに掲載するとともに、来院された方には、受付による説明や院内の掲示などによりまして、その周知を図っているところであります。 ◆32番(安部泰男君) 例えば今、ホームページ、また広報いわきといった媒体を挙げられましたけれども、そういう説明をして十分市民に現状を御理解いただいていると感じているのかどうかという点についてお尋ねします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 必ずしもそれですべてであるとは認識してございません。あらゆる機会をとらえまして、地域医療の実情、そして地域医療の中で果たしております当市立病院の役回り、そして医師不足等々の兼ね合い、どうしたらよりよい医療の提供を維持あるいは水準を保てるのか、こうしたことをつぶさにあらゆる機会をとらえまして、できるだけ市民の皆様に御理解をいただくような最善の努力をしてまいりたいと考えております。 ◆32番(安部泰男君) やはり、先ほど前段でお話ししましたが、市立病院ということで、市民の皆さんの期待も大変大きいものがありますので、そういったものを懇切丁寧に、またあらゆる媒体を利用して、御理解を求めるという姿勢を貫いていただきたいと思います。 次に、医師の減少は市立病院の診療体制に大きな影響を与えることとなりますけれども、現在いる市立病院の勤務医師が減少するかどうかといったことについて、今把握している内容を踏まえて、今後どのように減少するかということについてお伺いしたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) まず、全国的に問題となっております勤務医不足や診療科ごとの医師の偏在につきましては、本年8月31日に国におきまして新医師確保総合対策がまとめられたところであります。今後の着実な施策の展開を期待しておるところでありますが、短期的な解決は見込めない状況にあるため、医師の確保の先行きにつきましては、市立病院としましても、当面、不透明な状況が続くものと思われます。 本市立病院におきましても、現在、診療制限を行っている診療科以外の科におきましても、あるいは医師不足が発生する可能性を内在しており、予断を許さない状況にあるものと認識しておりますので、今後とも引き続きさまざまな手だてを講じまして、医師確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆32番(安部泰男君) 例えば何月ぐらいに退職したいとか、そういったお話は今現在把握されていないという理解でよろしいでしょうか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 現時点で、ただいま申し上げましたような診療科以外に具体の情報につきましては承知してございません。 ◆32番(安部泰男君) 次に、先日、市内に住む70歳代の市民が県の防災ヘリで福島医大に搬送されまして、緊急手術の結果、無事快方に向かっているという報道がございました。このような事例は、病病連携の成功例でありまして、関係者の皆様の努力のたまものでありますが、先ほどの市立病院の診療状況の御説明からもわかりますとおり、現在、どのような疾病または事例に対応できない状況になっているのかについてお示しいただきたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 共立病院におきましては、現下の医師不足のために対応が不可能な主な症例といたしましては、緊急手術を必要とする乖離性大動脈瘤や、人工心肺を用いて冠状動脈バイパス手術を実施しなければならない虚血性心疾患などであります。 ◆32番(安部泰男君) そういう手術に対応できない状況だということでありますけれども、その状況のもとで、今御説明のありました事例が発生した場合、ほかの地域の医療関係機関と当然連携をとらなくてはいけないと思うんですが、その連携のとり方といいますか、どのような形で連携をとって対応していくのかということについてお示しいただきたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) これまでも、共立病院で対応が困難な患者さんにつきましては、市消防本部や福島県消防防災航空センターの協力のもとで、医師や看護師が高規格救急車や防災ヘリコプターに同乗し、郡山市、福島市、宮城県あるいは東京都などの対応が可能な医療機関へ搬送してまいりました。 今後とも、これら関係する医療機関や消防機関等との密接な連携のもとに、適時適切に対処してまいりたいと考えております。 ◆32番(安部泰男君) そうしますと、これからも市外の医療機関等へ救急車で搬送する事例というのがふえてくると思いますけれども、救急車の出場件数がここ近年、伸びているようですけれども、そういった中で、市外に搬送する場合をあわせまして、十分対応できる状況なのかということについてお尋ねいたします。 ◎消防長(木村清君) 総合磐城共立病院などから市外の医療機関への搬送につきましては、これまで12台の救急車の円滑な運用と県消防防災ヘリコプターの活用により、適切に対応しているところであります。 今後においても、平成17年4月25日に発生いたしましたJR福知山線の脱線事故のような一時的に多数の死傷者が発生した場合を除きましては、これまでどおり迅速、的確に対応できるものと考えております。 また、市外搬送により救急車が減少している中での市内における救急需要に対しましても、車検時等の代替車である予備の救急車の活用を図ること、さらには本年9月末から救急車1台を新たに配備し、救急体制の充実強化を図ることから、救急出場件数がこれまでより増加した場合であっても、対応は十分可能であると判断しております。 ◆32番(安部泰男君) 一方、医師不足とともに、少子・高齢化やことしの診療報酬改定などによる影響もありまして、国内各地域で看護師の確保が難しくなっているように仄聞しております。いわき市立病院での看護師の定員確保について、影響はないかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 看護師につきましては、現在、市立病院の病棟・病床の数や患者の重症度、さらには病棟での看護配置など、その診療体制等に合わせまして適切な配置に努めております。 今後におきましても、引き続き病院事業の経営改革を進めていく中で、診療体制に見合った適正数の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆32番(安部泰男君) ただいまの御説明ですと影響がないと、現状では看護師の不足はないということだと思いますが、今後の見通しについてはいかがでしょうか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 現在、市立病院事業の改革作業を継続中でございますが、将来における病棟のあり方、あるいはベッド数のあり方を検討中でございますが、これらのあり方とあわせまして、看護師の配置基準の考え方を整理中でございますが、今の時点では、常磐、共立両病院の今の医療資源としての看護師の現有数を医療資源の選択と集中、こういう角度に立って改革を進める中で、有効的に効率的に活用していくということを基本にしてございますことから、当面、この看護師不足といったところは、今のところ想定には入ってございません。 長期的な視点で改革を検討していく中で、適正数あるいは診療体制とのかかわりの中で具体に検討してまいりますが、全国的な動向もありますけれども、当面は心配のないような状況にあるという認識でございます。 ◆32番(安部泰男君) よくわかりました。 さて、このたびまとめられました政府の新医師確保総合対策の中に、助産師確保総合対策事業の充実がうたわれております。これに先立って、去る6月議会でも、安全・安心な出産ができる体制を確保するため、市立病院では院内助産所や助産師の活用を検討するとのことでありました。現在、どのような状況にあるのかお伺いいたします。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 助産師の活用につきましては、産科医の負担軽減や産科医不足を補うための有効な方法の1つでありますことから、本年5月に共立病院内に産婦人科診療業務等運営連絡会を設置し、具体の検討に着手したところであります。 今後におきましては、この連絡会において、助産師の活用等について検討を進めるとともに、各種研修会への職員の派遣や先進病院の視察などを行いながら、助産師が単独で正常分娩の介助ができるような教育マニュアルの作成、あるいは妊産婦の方が自宅と同じような環境で出産ができるような施設のあり方等、この助産師の活用に向けた検討を一層進めてまいりたいと考えております。 ◆32番(安部泰男君) 今の御説明の中には、いつまでにという期日は入っていなかったのかなと思うんですけれども、いつごろまでにそういう体制を整えられて、例えば院内助産所、そういったものの体制を整えられてスタートするのか、その点についてお示しいただきたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) ただいま御答弁申し上げましたとおり、院内の産婦人科診療業務等の運営連絡会を中心にしまして、院内挙げて鋭意検討を進めておるところでございます。具体には、設置に当たりまして、助産師の再教育でありますとか、新たな助産師の確保の課題、施設整備等々、さまざまな問題がありますことから、今の時点では、一定程度の期間が必要であるといった認識でございまして、具体の設置時期につきましては、ただいまの段階では申し上げる状況にはございません。いましばらくお時間をいただきたいと思います。 なお、今後策定予定の市病院事業中期経営計画の中で具体の検討もしてございますので、そういった中で開始年次等の目標などをお示しできればと考えてございます。 ◆32番(安部泰男君) 本当に市民の皆様も、出産・育児の環境について、かなり高い関心を示されておりまして、そういう意味からも、例えばあと3年かかりますとか、あと5年かかりますとか、それとも逆に来年とか再来年とか、大まかな見通しでもお示しいただけませんか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) ただいま申し上げましたような状況にございます。一方、議員からお話がありましたとおり、切実なニーズもございますので、極力早期にそういったことができますよう、最善の努力をしていきたい。具体の時期等につきましては、そういった事業計画の中にできるだけ早期に盛り込みたいなと考えてございます。 ◆32番(安部泰男君) 早期ということなので、3年とか5年とかかかる話じゃないなというような感じを受けました。 これまで市立病院の医師不足などについてお伺いしてまいりましたけれども、これからは医師の確保についてお伺いしてまいりたいと思います。 まず、いわき市の10万人当たりの医師の数と県内の状況についてお示しいただきたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 本市の人口10万人当たりの医師数は、国の医師・歯科医師・薬剤師調査によれば、平成16年12月31日現在、171.3人となっており、郡山市は217.4人であります。なお、県内平均は171.0人となっております。 ◆32番(安部泰男君) これは、例えば全国平均で見るとどのくらいの位置にあるのかということがわかれば、お示しいただきたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 全国平均ですと201.0人であります。 ◆32番(安部泰男君) 次に、本市の医師確保対策についてお示しいただきたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 医師確保の取り組みにつきましては、従前から、院長等が東北大学、福島県立医科大学等のいわゆる大学医局へ赴きまして、医師派遣を要請するとともに、本年度は、県の医師派遣制度による派遣について、市長を先頭に要望活動を行うなど、医師の派遣要請を積極的に行ってまいりました。 また、市立病院のホームページでの医師募集のほか、社団法人全国自治体病院協議会が設置する自治体病院・診療所医師求人求職支援センターを通じた医師募集など、医師確保に向けたさまざまな活動を行ってきたところであります。 さらに、共立病院におきましては、臨床研修指定病院として、特色ある研修プログラムを充実させながら、研修医の積極的な受け入れに努め、優秀な医師の育成・確保を図ってきたところであります。 今後につきましては、この医師不足が深刻化する中で、市立病院への医師の定着を図るための方策といたしまして、市立病院改革に係る基本方針に位置づけられております医師が働きやすい職場環境の整備や施設整備の充実、そして給与等の処遇面の改善などを図ってまいりたいと考えております。 ◎市長(櫛田一男君) 追加答弁であります。 今、部長答弁の中に、福島県の医師派遣制度による派遣について、市長を先頭にお願いに行ってきたところでありますけれども、これはもう市長だけが、あるいは市立病院部長だけがやる仕事ではなくなってまいりました。したがいまして、皆様方に、特に質問者にお願い申し上げますが、ぜひ福島県に関係のある皆さんがおりましたら、県会議員の世界でありますから、そこのところを通じて、この派遣問題もサイドからフォローしていただきたい、こんなふうに市長からお願いを申し上げるところでありますので、よろしくお願いいたします。 質問者以外の議員の先生方も、ぜひこれに参画をしていただきまして、大いにいわき市の医師不足というものを、大きな声で各般にわたり声を出していくという作業に参加していただきたい、こんなふうに思っております。 ◆32番(安部泰男君) 市長の異例の御答弁ですけれども、本当にそれだけ市長も真剣に考えられているという証左だと思います。 ただいまの部長の御説明にもありましたけれども、本当に何より大事なのは、今いる医師をしっかりつなぎとめておくということが当然必要なわけでありまして、いかに今いるお医者さんにやる気を出してもらうか、そういったことをこれからやるというお話でしたので、安心しております。 次に、政府の新医師確保総合対策に暫定的医師養成増が盛り込まれておりますが、1人の医師を育てるには10年かかると言われております。今直ちに必要な医師について、どのように確保するのか、これが一番今、最大の問題であります。そういうことから、今回の新医師確保総合対策では、ここの部分をどのように考えているのかお示しいただきたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 今般の国の新医師確保総合対策におきましては、議員おただしの今直ちに必要な医師確保対策、すなわち短期的な対応につきましては、まず都道府県が行う取り組みへの支援といたしましては、小児科・産科の集約化・重点化の推進や、地域の医療関係者等の参加により都道府県が設置し、地域に必要な医師の確保の調整等を行う医療対策協議会の活性化などが示されております。 また、都道府県のみでは対応困難な地域に対する緊急対策として、厚生労働省に、国立病院機構、日本赤十字社あるいは済生会など全国に展開する公的病院の理事長や院長等の医療関係者が構成員となり、医師数に余裕のある地域から不足している地域への緊急避難的な医師派遣等を含めた検討を行うこととされている(仮称)地域医療支援中央会議の設置などが盛り込まれております。 ◆32番(安部泰男君) 今の説明の中にありましたが、県が今、小児科・産科の医師の集約化に向けて協議をしているという段階にあると思うわけでありますけれども、これについて、現状、協議の内容といいますか、どういう形になっているのか、知り得る範囲で結構ですから、お示しいただきたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 県においては、自前の手段ということで、県立病院を中心として集約化、拠点化を図っているとは聞いております。具体的な中身については承知しておりません。 ◆32番(安部泰男君) わかりました。 本来、医師の確保については、国、また県が主導的な立場にあるわけでありますけれども、市として、こういう大変厳しい状況を市長初め、関係各位の皆様が御認識されておりますので、国がやるから、県がやるから、それを静観して見守るんだという姿勢であっては、安全・安心なまちづくりをするんだという施策が絵にかいたもちになるのではないかと思います。 やはり、今、市長が決意を述べられましたように、またお話をされましたように、直接は市が行うべきものではないかもしれませんが、市として、しっかりこの問題に取り組むんだという姿勢を示す意味でも、独自の対策といったものも打ち出していただきまして、そして市民の皆様に安心感を与えるということも1つ必要なのかと思うわけであります。そういう意味で、本市独自の対策についてあれば、お示しいただきたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 現下の医師不足に対応するための対策としましては、本年2月に策定しました市立病院改革に係る基本方針におきまして、この改革への取り組みの重要な柱として位置づけております医師確保対策が、今まさに進めようとしている改革の大きな目標の1つであると認識してございます。 したがいまして、この対策としまして、改革の推進組織として、本年4月に市長を本部長として設置いたしました市立病院改革本部におきまして、この新たな医師確保策などを含めた議論を行いまして、今後の医師派遣の要請活動、あるいは医師の募集など、これまでの方策に加えまして、新たな県の医師派遣制度の活用や医師会、あるいは本市出身、あるいはゆかりの方々などの人脈による人材の新たな発掘、そして国の新医師確保総合対策に盛り込まれた各種施策について、県における実施についての働きかけを強めるなど、さらには本市として医師が働きやすい環境づくりや給与面の処遇なども改善を施し、さまざまな施策面につきまして、市として実施可能なものから速やかに対応してまいりたいと考えております。 ◆32番(安部泰男君) 先日、岩手県と岩手医科大学が中華人民共和国の瀋陽市にあります中国医科大学から産婦人科医師や小児科医師を受け入れまして、国から臨床修練制度による許可を受けて、医療行為を行うという報道を耳にしたところであります。 本市は、昭和57年に中華人民共和国の撫順市と国際友好都市を締結いたしまして、交流をこれまで深めてまいりました。また、市立総合磐城共立病院も医療の相互交流を深めているところであります。そこで、中国撫順市立病院などから医師を迎え、共立病院の医師不足を少しでも補うことができないのかなと考えておるわけでありますけれども、御所見をお示しいただきたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 共立病院が中国撫順市中心医院から現在受け入れている医師につきましては、両市間の友好病院締結に基づくものでありまして、医療技術の研修をその目的として実施しているものであります。 一方、現在の我が国の医師法によりまして、中国での医師免許を有している場合でありましても、日本の医師免許を取得しなければ、国内での診療を行うことはできないとされております。議員がお触れになりました岩手県の事例につきましては、特定の専門的な知識及び技能の習得を目的に外国の医師を招聘する、国のいわゆる臨床修練制度を利用したものでありまして、厚生労働大臣の許可のもとに行う、あくまでも例外的な措置であると受けとめております。 したがいまして、共立病院が担っております急性期あるいは高度、政策医療という診療水準や内容等にかんがみますと、中国から医師を招聘することは、医師確保の1つの手法とは考えられますものの、当該制度そのものが研修を主眼とするものでありますことから、共立病院の医師不足対策として診療・業務面の改善を目指して直ちに取り入れることにつきましては、多少困難な面があるものと受けとめております。 ◆32番(安部泰男君) 制度的に全く不可能ではないけれども、困難があるという御所見かと思います。 例えば、中国撫順市や中華人民共和国のお医者さんが無理であれば、そのほかの外国人の労働力とか、そういったものに目を向けて、今、この医師不足に即座に対応できる方法があればなと、私もいろいろ考えるんですけれども、浅知恵ですが、そういうふうな、もうちょっと視野を広げて考えるということも、1つ選択としてはあると思うんですね。ですから、その部分も踏まえて御検討をいただければなと思いますが、御所見をいただければと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) ただいまの議員の御提言なども十分踏まえさせていただきまして、今後、あらゆる可能性、さまざまな角度からその手だてを検討してまいりたいと考えております。 ◆32番(安部泰男君) 次に、地域医療についてお伺いいたします。 地域の病院と診療所がそれぞれの役割を分担しながら、最も適切な医療を住民へ提供することが地域医療の使命であると言われております。医師不足によって、特に出産・育児に係る医療分野に大きな影響があらわれ、市民の不安が増大していることから、この医療環境の整備は待ったなしの状況であり、中核病院である市立総合磐城共立病院を中心とした開業医との連携がますます重要になってまいります。 そこで、国は、新医師確保総合対策の中で緊急に取り組むべき対策として、出産前小児保健指導事業を行う市町村への支援を推進するとしておりますが、これの本市の対応についてお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 本事業は産婦人科医と小児科医との連携で行われることになっており、平成13年度には、市医師会主体でモデル的に実施した経緯がありますが、その後、御承知のとおり、産婦人科医、それから小児科医の減少が続き、実施が困難な状況となり、今日に至っております。 なお、今後については、産婦人科・小児科の医療体制の状況を見きわめながら、検討してまいりたいと考えております。 ◆32番(安部泰男君) 次に、同対策の中で、小児救急医療を行う輪番病院または拠点病院の夜間の人員配置を充実するとしておりますが、本市はどのように対応していくのかお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 小児救急医療の一次救急につきましては、共立病院内に併設している休日夜間急病診療所、二次救急につきましては病院群輪番制、三次救急については救命救急センターで対応しておりますが、病院に勤務する小児科専門医が減少傾向にあり、病院によっては対応が困難な状況になってきている施設もあると認識しております。 ◆32番(安部泰男君) 先日なんですけれども、福島民報新聞に南相馬市立総合病院が夜間の小児救急患者の診療体制を強化するという報道がありました。南相馬市は、この9月の定例議会に必要経費の補正予算を提出するということであります。 そういったことから、本市では、小児救急の夜間診療体制について、これまで市の医師会とどのような協議をされてこられたのかお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) これまで医師会とは、さまざまな地域医療の課題について協議をしてきた経緯がございます。先日も、病院、そして勤務医、それから関係団体との協議の機会を持った際に、病院関係者から、この小児救急のかなり危機的な状況が強く主張されて、話し合いをした経緯はございます。 具体的な対応ということにつきましては、基本的には、南相馬市の例ではございませんけれども、市内の勤務医の皆さんに御協力をいただくと。その体制を今後どう検討していくかというところにあるのかなと考えております。 ◆32番(安部泰男君) やはり開業医の皆さんと、つまり市の医師会の皆さんの協力がないと、なかなか小児救急医療に対応できないという現状がありますので、いろいろ地域によってさまざまな事情がありますが、ぜひこれについては引き続き協力を求めていっていただきたいと思います。 ところで、中核病院である共立病院の機能を実質補完していると思いますけれども、錦にあります呉羽総合病院ではことし4月から小児科を休診しております。インフルエンザ流行期には1日最大27人の入院患者を抱えていた病院が休診した影響は、共立病院の小児科診療に少なからず影響を与えるものと考えます。 そこで、これからのインフルエンザ流行時期を前に、こういった問題について何らかの対策を考えているのか、お示しいただきたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 一般的なインフルエンザ流行における対応は、小児科専門医のある病院であれば可能であると考えておりますが、インフルエンザ脳症などの重篤なケースの流行につきましては、既存の基幹病院を中心として、病病連携、病診連携を密にしながら対応してまいりたいと考えております。 ◆32番(安部泰男君) 病病連携、病診連携で十分対応していけるということで、その対策については万全であると理解してよろしいでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 現状もこれまでもそうでありましたけれども、どういった形で流行が、どのような大きさの規模で、またどのような種類のインフルエンザがということによっては、万全ということをここで断言することはできませんが、可能な限り対応できるように努めていくのが市の務めだと考えております。 ◆32番(安部泰男君) 私が知っている範囲では、小児の入院施設があるのは共立病院だけじゃないかと思うんですけれども、例えば毎年最大27人ぐらいの入院患者を抱えていた病院のベッドがなくなったということは、インフルエンザ流行期にそのくらいの患者さんが発生した場合に、入院施設のある共立病院にストレートに影響が出てくると思うんですが、そういった部分について、共立病院ではどのように考えておられるのかお伺いしたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 心配されるインフルエンザ対策は、関係部署による事前の総合的な対策が基本となりますが、市立病院、とりわけ共立病院としましては、ただいま保健福祉部長から申し上げましたとおり、役割としましては、極めて重篤な患者さん対応のベッドをきちっと確保して、あるいは維持していく必要がございますので、そういった機能が十全に果たせますように、病病連携、病診連携をさらに徹底して対処していくことが先決であろうと認識してございます。 ◆32番(安部泰男君) こういう課題について、当然保健福祉部と市立病院部が連携をとっていると思いますが、ぜひこういった危機管理ではないですけれども、そういった部分についても、これからしっかり備えていただきたいと思います。 次に、小児救急電話相談事業、いわゆる♯8000の実施については、都道府県がその責務を負っているわけでありますが、現在の県の検討状況がわかればお示しいただきたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 小児救急電話相談事業は、平成16年に国が創設した都道府県が実施する事業であり、本県でも県庁内の関係部局で構成する庁内検討会を設置し、検討を続けていると聞いておりますが、その実施時期についてはまだ明確になっていない状況にあります。 ◆32番(安部泰男君) それでは、次の質問に移ります。自殺防止対策についてお伺いいたします。 我が国における自殺の年間死亡者数は、平成10年から8年連続で3万人を超える状況が続いております。こうした中、国や自治体が自殺防止へ必要な手を打つことを責務といたしました自殺対策基本法が去る6月15日に成立いたしました。同基本法は、自殺が個人の問題だけではなく、その背景に過労や倒産、いじめなどの社会的な要因があることを踏まえまして、自殺対策を社会的な取り組みとして、国と自治体の責務が明記されたところであります。 そこで、以下の点についてお伺いいたします。 まず、本市における自殺の実態についてお示しください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 本市の自殺の実態につきましては、過去5年間の自殺者数の推移で申し上げますと、厚生労働省の人口動態統計では、平成12年が102人、平成13年が104人、平成14年が88人、平成15年が107人、平成16年が111人となっており、本市においては自殺者が増加していると考えられます。なお、平成17年につきましては、まだ公表されておりません。 ◆32番(安部泰男君) 今御答弁いただきました実態について、市外の地域と比較した場合、いわき市の自殺された方の数というのはどのような状況にあるのかお示しいただきたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 他地域との比較につきましては、平成16年について申し上げますと、人口10万人に対する自殺率では、本市の31.2人に対し、福島県全体では27.6人、福島市は21.7人、郡山市は29.8人と、本市が若干高い状況となっております。なお、全国の自殺率は24.0人で、福島県自体もやや高い傾向が見られます。 ◆32番(安部泰男君) そういう状況を前提に、本市でもこれまでさまざまな対策を打ってこられたと伺っておりますが、その対策の内容についてお示しいただきたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 本市が現在、実施している予防対策としては、自殺の原因となっているうつ病などについて、保健所窓口に備えてあるチラシ等を通し、疾病の正しい理解と知識の普及・啓発を図っているほか、市民講座の開催や出前講座などを通し、早期発見と早期治療を含む各種の情報を提供しております。 また、心の健康問題を気軽の相談できるよう、精神科医師・保健師・心理判定員等による心の健康相談を、保健所を含む市内3カ所で年間32回実施しております。 なお、今年度から、9月10日の世界自殺予防デーの普及啓蒙のため、インターネット等において情報の提供に取り組んでおります。 ◆32番(安部泰男君) そういう対策をとられてきたということでありますけれども、それでは、こういった対策について、実績を踏まえて、これまでどのような評価をされているのかお示しいただきたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 自殺防止対策の評価についてでありますが、昨年度からは特にうつ病対策に重点を置いて取り組んでおり、その結果、地域や企業から出前講座の依頼がふえ、受講者からはうつ病についての理解が深まったとの声が聞かれるなど、知識の普及啓発に一定の効果を上げているものと考えております。 また、心の健康相談においては、相談後に早期受診や早期治療に結びつく例が見られるなど、自殺予防に寄与しているものと考えております。 なお、保健所においては、随時の来所相談や電話相談を実施しており、今後も自殺予防対策運動を積極的に進めてまいりたいと考えております。 ◆32番(安部泰男君) それでは、今回の自殺対策基本法の制定を受けまして、これからこの対策をどのように進めるのか、お示しいただきたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 法の制定により、国、地方公共団体、事業主、国民のそれぞれの責務が明確になったことから、本市といたしましても、法の趣旨にのっとり、自殺対策について地域の実情に応じた施策を実施すべく、今後、国・県等の動向も見きわめながら対策を進めてまいりたいと考えております。 ◆32番(安部泰男君) 次は、歩いて暮らせるまちづくりについてお伺いいたします。 全国各地の中心市街地で空洞化が進み、活気を失った商店街が数多く見られるようになりました。こうした中、大規模小売店舗立地法、改正中心市街地活性化法、改正都市計画法のいわゆるまちづくり三法がさきの通常国会で成立いたしました。このうち、改正中心市街地活性化法がこの8月22日に施行されました。 そこで、今後の本市の中心市街地活性化対策についてお伺いいたします。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 今回の中心市街地活性化法の改正は、少子・高齢化社会の到来を踏まえ、公共公益施設や住宅など、さまざまな都市機能の市街地集約化と商業の活性化等を一体的に実施し、コンパクトでにぎわいのあるまちづくりを進めることを目的としております。また、市町村が策定する中心市街地活性化基本計画については、内閣総理大臣による認定制度を導入し、選択と集中による重点的な支援を行おうとするものであります。 基本計画の策定につきましては、市町村内の原則として1地域を中心市街地として定め、集中的に投資を行うことで活性化を図ろうとする改正法の趣旨と、複数の市街地を有する本市特有の都市構造の中で、地域の特色を生かしたまちづくりを進めてきたこれまでの取り組みとの整合性を図る必要があること、また都市計画法上の用途地域の一部について、市独自の規制を行う必要があることなどの課題があることから、庁内の関係部や関係団体と協議しながら、検討してまいりたいと考えております。 ◆32番(安部泰男君) 以上で質問を終わります。(拍手) ○副議長(鈴木利之君) ここで、午後3時40分まで休憩いたします。            午後3時30分 休憩           ------------            午後3時40分 開議 △樫村弘君質問 ○副議長(鈴木利之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、本日の会議時間は議事の都合よりあらかじめこれを延長いたします。 31番樫村弘君。          〔31番樫村 弘君第二演壇に登壇〕 ◆31番(樫村弘君) (拍手)31番創和会の樫村弘です。ただいまより通告順に従い、市政一般に対する質問を行いますが、その前に一言申し上げます。 櫛田市長におかれましては、就任された昨年9月28日以来、日夜にわたり市勢進展のため、市民福祉向上のために精力的な活動を展開され、櫛田市長のすばらしい人柄もあって、市民から温かく歓迎されており、心から敬意を表する次第であります。 さて、櫛田市長は、昨年9月11日の第11回市長選で10万9,719票を獲得され、見事初当選を果たされ、6人目となる第11代目の市長に就任されたわけであります。選挙では、市政の流れを変えようをスローガンとして、無党派の立場で、市民多数の支持を一気に集められたところでありますけれども、間もなく就任1年になろうとしております。この間、急激にではなく、着実に市政の流れを変えつつあることが感じられ、このことがいかにも櫛田市政らしくもあり、私なりに評価しているところであります。 そこで、まず質問の第1は、市長就任1年を迎えての所感についてです。 1点目は、市政の流れを変えようとのスローガンは、市政にどう反映されたと考えているのか伺います。 ◎市長(櫛田一男君) 冒頭から温かい御声援をいただきまして、ありがとうございます。 私は、市長就任に当たりまして、人の和というものを大切にしながら、産学官地の連携によって持続可能なふるさと・いわきを築くため、全力を傾けることを、議員の皆様方や、さらには市民の方々にお示ししてきたところであります。 その底流には、先般の市長選挙に臨むに際して掲げました市政の流れを変えようとのスローガンでありますが、つまり長引く景気低迷等により、漠とした不安感が市民の間に漂っておりました。いわゆる閉塞感が流れていたわけでありますが、その市民一人一人がまちづくりの主人公であるとの気持ちを共有しながら、またそれに共感できるような、参加と工夫による市政により、ふるさと・いわきを元気にし、発展させていきたいという思いがあります。 いわき市は、御承知のとおり、多核分散型の地方都市であります。そして、それぞれの核の中に人々が光輝きながら暮らしているわけでありますが、それらの核に住んでおります方々に光を発信できるような施策展開をしていくのがこれからの私の考え方であります。そういうことを掲げながら、肝に銘じ、先輩方が営々築き上げてこられました成績、功績でありますが、そういうものに敬意を払いながら、市民の皆様と協働で各種施策を推進することを通して、元気なまち いわきの実現に向けて、全力を傾注してまいる考えでやってまいりました。 ◆31番(樫村弘君) 2点目は、就任1年の市長職の所感について伺います。 ◎市長(櫛田一男君) 私が第11代目のいわき市長に就任いたしまして、間もなく1年が経過しようとしております。市長就任以来、目まぐるしく変化する社会情勢に的確に対応し、市民福祉の向上を図るため、さまざまな分野における各種施策の推進に、日々真剣に取り組んでいるところであります。改めて市長の重責というものを深く感じております。同時に、市長の忙しさというものも感じております。 また、できるだけ多くの市民の皆様とお会いする機会を設け、御意見等を伺っておりますが、地域資源を創意工夫によって有効に活用しながら、自分たちの住むまちを自分たちの力で住みよくしていこうという皆様方の熱い思いとエネルギーを肌で感じるような雰囲気の中で話し合いを進めておりますけれども、この熱意というものに光を当てながら、各地域がそれぞれの光を発するように、これからも精いっぱい頑張ってまいりたいと、そんなふうな気持ちで臨んでおります。 ◆31番(樫村弘君) 3点目は、今後の決意について、改めてお伺いいたします。 ◎市長(櫛田一男君) 今、時代は大きな変革期にあることは御承知おきのとおりでありますが、地方自治体を取り巻く環境も目まぐるしく変化してきております。このような状況におきまして、市政運営に当たることは、市民の皆様が主役であるということを忘れずに、市民の皆様の目線というものを中心にしながら、各地で取り組まれておりますまちづくりに夢を与え、それを実現化していくことが重要であると考えております。 そのためにも、産学官地の連携のもとに、厳しい行財政環境のもとではありますけれども、新・市総合計画改定基本計画を初め、行財政改革大綱及び中期財政計画などを念頭に置きながら、本市の振興発展に向けたさまざまな施策を推進するとともに、市民生活に密着した生活基盤・都市基盤のさらなる充実に努め、市民の皆様が真の豊かさを実感でき、だれもが住み続けたくなる、元気なまち いわきを築き上げるべく、全身全霊を傾注し、市勢発展に尽くしてまいりたいと考えております。 ◆31番(樫村弘君) さらなる健闘を御祈念申し上げながら、質問の第2に移ります。 質問の第2は、市政運営の基本的問題の考え方についてです。 去る7月24日付、河北新報によりますと、少子・高齢化や厳しい財政事情を背景に、全国首長、いわゆる首長の実に91%が、自治体存続に不安を感じているとアンケートに回答しているそうであります。その理由は、1つ、地方交付税削減などで厳しい財政運営を迫られる。2つ、高齢化が予想以上のスピードで進み、財政を圧迫。3つ、少子・高齢化や若者の流出で人口の減少が進む。4つ、効果的な地域振興策が見つからない。5つ、農林水産業の不振が続きそう。6つ、市町村合併をしたが、思うような効果が出そうにないというもので、私はこの理由のほとんどは、そっくり本市にも当てはまる全国共通の悩みになっていると感じたところでした。 この調査は、ことしの5月から6月に、共同通信社が加盟新聞社と協力して行ったもので、直接選挙で選ばれた47都道府県知事、779市長、844町長、197村長、23東京特別区長の計1,890人あてに5月下旬に調査用紙を送り、6市町村長を除く1,884人から回答を得たもので、回答率は99.7%でした。人口5万人未満の自治体が全体の約6割を占めるため、首長の種別や人口規模、地域、高齢化などで分類、結果を分析したということです。 アンケートの質問は、平成の大合併、合併への対応、合併後の効果・問題点、道州制の導入、構造改革の影響、三位一体改革の評価、交付税制度、自治体の破綻法制導入、公共事業費削減の評価、自治体の将来の存続、少子化対策、地域経済、財政状況の認識、公務員の待遇、道路特定財源の見直し、後継首相に期待する地域政策、消費税引き上げについて、自治体運営を通して感じる格差の以上18項目でした。 全体で見ると、都市部でも高齢化に伴う財政負担への懸念が広がっており、消費税率の引き上げには全首長の73%が容認姿勢を示しております。小泉構造改革には厳しい見方が強く、ポスト小泉に期待するのは、地方財政への手厚い支援が31%で最多となっており、地方の自立はまだ手探りといったところでしょうか。 自治体存続に不安を感じる割合は、人口50万人以上の都市でも73%あり、2つまで回答の理由として最も多かったのは、地方交付税削減で財政運営が厳しくなるが62%、5万人以上の自治体では、高齢化が予想以上のスピードで進み、財政圧迫がトップで、団塊の世代が集中する都市部でも危機感が強まっております。 小泉内閣が進めた構造改革の影響について、どちらかといえばも含めて、よい方向とする回答が32%だったのに対し、どちらかといえばも合わせた、悪い方向が65%、昨年決着した国・地方財政の三位一体改革には、大幅な地方交付税の削減が影響して、評価しない、余り評価しないが80%に上っています。 自治体運営を通して格差を感じるかには、59%が感じると回答。都市は生活保護世帯の増加など社会的格差、地方では都市との地域間格差を挙げております。 さて、国や自治体、特に国の巨額の借金を背景に、少子・高齢化の予想以上の進行を抱え、国の支出抑制、国民負担の増加という大きな流れは、地方自治体をも直撃しているわけでありますが、市長はこれらアンケートにどのように回答したのでしょうか。 最近、北海道の夕張市の財政破綻のニュースが大きく報道され、数多くの市民から、いわき市は大型事業が多く、大丈夫なのかと聞かれます。私なりに必死の思いで現状と対策について答えておりますけれども、今回のアンケート調査の全国の回答内容は、いわき市の基本的問題、悩みとも言えるものと感じた次第でした。 そこで、自治体存続に不安を感じる理由として挙げられた6項目について、本市の実態と今後の対応について、それぞれ伺いたいと思います。 1点目は、共同通信社のアンケートにはどのように回答したのでしょうか。主なものについて伺います。 ◎総務部長(猪狩正利君) おただしのアンケートについては、共同通信社によりますと、自治体のトップが、国が推し進めてきた市町村合併施策や政府の構造改革をどう評価し、将来の見通しが立てにくい中で、今後の自治体運営にどう取り組もうとしているのかについて調査するもので、それぞれの設問に対し、あらかじめ選択肢が示されております。 以下、質問のうち、その主な項目とそれに対する市の回答について申し上げます。 まず、構造改革の影響については、地域の経済状況は好転していないことから、どちらかといえば悪い方向に向かっているとしました。 次に、交付税制度については、国の判断だけで交付税総額が年度によって大きく変わることを問題とする点とし、国から地方へ税源移譲し交付税への依存を減らすことを改革で最も力を入れるべき点としました。 次に、政府内で検討されている自治体の破綻法制導入については、導入すべき、導入反対のどちらでもないとしました。 次に、自治体の将来の存続に不安を感じるか否かについては、高齢化が予想以上のスピードで進み、財政が圧迫される、また、地方交付税削減などで厳しい財政運営を迫られるとの理由から、不安を感じるとしました。 次に、少子化対策については、在宅勤務や男性の育児参加など働き方の見直しと安全・安心の確保など子育てしやすい環境づくりを最も有効な対策とし、成果はあまり上がっていないとしました。 次に、地域経済の状況については、バブル経済崩壊以降、これまでの状況は、どちらかといえば悪くなってきた、今後10年間の見通しは、どちらかといえば良くなるとしました。 次に、財政状況の認識については、厳しい状況で今後も心配とし、歳出・歳入面で懸念される問題については、それぞれ、社会保障関係費の増大と、地方税収の減少、地方交付税の減少としました。 次に、道路特定財源の一般財源化については、反対としました。 最後になりますが、自治体運営を通して格差は、感じることがあるとしたところであります。 ◆31番(樫村弘君) ただいまの回答のように、地方自治体の存続に不安を感じるというのはまともな感じ方ではなかったのかなと思いますし、また全国の首長さんと似たような同様の認識をされているのかなという感じがしているところでございます。 質問の2点目は、地域交付税削減など厳しい財政運営を迫られることについてです。 この点については、本市ももちろん例外ではなく、予想以上の削減額に苦慮しているわけであります。そこで、アとして、交付税の削減の経過について伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 本市におけます普通交付税とその一部振り替えでございます臨時財政対策債の額の推移につきましては、国の三位一体改革前の平成15年度において、合わせますと262億7,815万9,000円でございましたが、平成16年度は、平成15年度と比較して34億6,402万3,000円減の228億1,413万6,000円、平成17年度は、対前年度比で9億8,157万円減、平成15年度と比較しますと44億4,559万3,000円減の218億3,256万6,000円となっております。また、平成18年度につきましては、194億8,023万7,000円でございまして、対前年度比で23億5,232万9,000円の減、平成15年度と比較いたしますと67億9,792万2,000円の減となるものでございます。 ◆31番(樫村弘君) 大幅な減額で、大変苦しい状況かと思いますが、イとして、今後の対応について伺います。 ◎財政部長(陸川克己君) 現在、本市の財政状況は、国の三位一体改革に伴います地方交付税などの削減により、一般財源総額の大幅な減少を余儀なくされ、極めて厳しい状況にございます。このような状況を踏まえまして、昨年度において、将来にわたり持続可能な財政運営を図ることを目的とし、人件費の削減を初めとする行財政改革の着実な実施を前提といたしました新たな中期財政計画を策定したところでございます。 しかしながら、本年7月25日の交付額決定などによりまして、平成18年度の普通交付税と臨時財政対策債が計画を上回る大幅な減となったことから、今後におきましては、新・市総合計画実施計画に基づく施策の重点・選別化をより一層進めることにより、普通建設事業費の抑制を行うなど、歳出全般にわたる見直しに取り組んでまいりたいと考えてございます。 ◆31番(樫村弘君) 3点目は、高齢化が予想以上のスピードで進み、財政を圧迫についてです。 アとして、本市の高齢化の経過はどのようになっているのでしょうか伺います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 本市の高齢化の経過についてでありますが、平成7年は65歳以上の高齢者人口が6万1,032名で、総人口に占める割合、すなわち高齢化率は16.9%でしたが、平成12年には7万745名で19.6%、平成17年には7万8,543名で21.8%となっており、高齢化は急速に進んでいると認識しております。
    ◆31番(樫村弘君) イとして、どう財政を圧迫しているのでしょうか伺います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 本市の一般会計に占める高齢者福祉関係の事業費は、平成7年度が45億500万円で、その割合は3.9%、平成12年度が47億5,700万円で4.0%、平成17年度が51億1,400万円で4.3%となっており、一般会計に占める割合は年々伸びてきております。 ◆31番(樫村弘君) ウとして、今後の対応について伺います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 高齢化社会が進行していく中で、高齢者の皆様方に対する施策のあり方は、今後の大きな行政課題であり、適切に対応していく必要があると考えております。とりわけ、高齢者の皆様が病気をせず、また介護を受けることなく、健康で生き生きと暮らすことができる施策の充実が重要であると認識しております。このため、本市におきましては、健康運動教室や筋力アップ教室の開催など、介護予防対策に重点を置いた施策を展開しているところであります。 さらに、壮年期からの生活習慣病予防等の健康づくりに努めるとともに、来年度からは、健康診査に当たり、新たに個人ごとの受診券を発行することとし、受診率の向上を図ってまいりたいと考えております。 また、一方では、敬老祝金の支給年齢の見直しや各種事業の見直しを行ってきたところであり、今後も時代に対応した施策のあり方を見きわめながら、高齢化時代に対応した適切な施策の展開に努めてまいりたいと考えております。 ◆31番(樫村弘君) 4点目は、少子・高齢化や若者の流出で人口の減少が進むについてです。 アとして、本市の少子・高齢化や若者の流出など、この10年間の人口の動きはどうなっているのでしょうか伺います。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) 平成7年と平成17年の国勢調査の比較で申し上げますと、本市の人口は、平成7年が36万598人、平成17年が35万4,492人で、6,106人、1.69%の減となっております。このうち14歳以下の年少人口につきましては、1万425人、16.70%の減、65歳以上の老年人口につきましては、1万8,440人、30.21%の増となっております。 また、若者につきましては、毎年おしなべて市内高校の卒業生の約4分の1、約1,000人程度が市外の大学に進学しているほか、高専や短大を含めた大学生等につきましては、毎年就職者の約7割、約500人程度が市外に就職している状況にございます。 ◆31番(樫村弘君) イとしては、今後の対応について伺います。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) 今後の対応といたしましては、少子・高齢化に対応し、市民の皆様がいつまでも安心して暮らし続けることができるよう、保健・医療・福祉サービスの充実に努めるとともに、多くの若者が進学や就職のため市外に流出している現状を踏まえ、企業誘致及び新産業育成等による雇用の場の創出や、就学機会の確保に向けた高等教育機関の機能拡充を通して、まちのにぎわいの創出に努めながら、個性と魅力あふれる元気なまち いわきを目指し、若者が定着し、市外からの人口の誘導にもつながる求心性の高いまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。 ◆31番(樫村弘君) 5点目は、効果的な地域振興策が見つからないについてです。 この点については、本市は実にさまざまな地域振興策が展開されており、評価しているところではありますけれども、なかなか決め手になるというまでにはいかないようであります。 そこで、アとして、これまでに展開している地域振興策について伺います。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) 本市におきましては、総合計画に基づきまして、さまざまな地域振興策を展開しているところでありますが、その一端を申し上げますと、市街地の活性化や市民・文化活動の拠点づくりに向けた多様な都市機能の集積、時代の要請に即した新産業振興など、地域内発型の産業育成支援、さらには総合交通体系の整備促進を初め、滞在型観光や体験型交流の促進による内外の連携強化等を通じ、活力に満ち、創造力にあふれるまちづくりを推進してきているところでございます。 ◆31番(樫村弘君) イとして、今後の方針について、具体的にお示しいただきたいと存じます。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) 今後の地域振興策といたしましては、現在、いわきの顔づくりとして取り組んでおりますいわき駅前再開発事業や、地域経済の活性化に向けたいわき四倉中核工業団地への企業誘致の推進など、本市の振興発展に向けたさまざまな施策を着実に遂行しながら、市民の皆様を初め、産学官地の連携のもと、広域多核都市として、地域の特色を生かし、だれもが住み続けたくなるまち、元気なまち いわきの実現に全力を注いでまいりたいと考えております。 ◆31番(樫村弘君) 質問の6点目は、農林水産業の不振が続きそうについてです。 この件については、全国的、全世界的な関連で考えなければならないものでもございますけれども、第一次産業の振興については、本市独自の施策展開がまた求められております。 そこで、この項のアとして、これまでの農林水産業振興対策はどんなものだったのでしょうか伺います。 ◎農林水産部長(高木直昭君) これまでの農林水産業振興対策のうち、農業につきましては、市農業・農村振興基本計画に基づき、認定農業者や新規就農者など多様な担い手の育成・確保に努めるとともに、圃場や農道などの生産基盤の整備に取り組んでまいりました。また、本市独自の新農業生産振興プランにより、ネギ、イチゴなどの園芸作物の生産振興を図るなど、各種施策を推進してまいりました。 林業につきましては、森林の持つ公益的機能の発揮を図るため、造林や間伐の促進、さらには林道の開設や木材加工施設の整備などに取り組んでまいりました。 水産業につきましては、つくり育てる漁業の推進や市の魚メヒカリを活用した水産物の需要拡大、さらには漁業経営のための金融制度の充実などの各種事業を実施してまいりました。 ◆31番(樫村弘君) この項、イとして、今後の振興策を具体的にお示しいただきたいと存じます。 ◎農林水産部長(高木直昭君) 今後の具体的振興策のうち、農業につきましては、認定農業者や集落営農などの多様な担い手の育成・確保を図るとともに、第二期新農業生産振興プランに基づき、いわきの農産物のブランド化などの推進、さらに大区画の圃場整備や農地防災事業などを推進してまいりたいと考えております。 林業につきましては、森林の持つ公益的機能の発揮を図るため、造林や間伐などの森林整備の拡充や森林環境税を活用した森林環境教育の推進などを図ってまいりたいと考えております。 水産業につきましては、国際的な漁業規制の強化などにより、今後、沿岸漁業の振興がますます重要となることから、つくり育てる漁業のさらなる推進を図ってまいりたいと考えております。 ◆31番(樫村弘君) 7点目は、市町村合併をしたが、思うような効果が出そうにないについてです。 本市は昭和41年10月1日に14市町村の合併により誕生し、ことしで40周年を迎えるわけで、いわば合併先進地でございます。この合併については、今でもさまざまな評価があるわけでありますけれども、市制40周年を迎えた節目のときでもあり、大合併の総括をするときでもあると思います。 そこで、アとして、合併40周年の総括について伺います。 ◎総務部長(猪狩正利君) 本市は、石炭産業の斜陽化による産業構造の変化や新産業都市の指定による工業化の進展等を背景に、当時としては、極めて先進的な14市町村の大同合併により誕生し、本年、40周年の節目の年を迎えております。 合併の成果といたしましては、工業団地や重要港湾小名浜港、高速自動車網などの産業基盤や、上下水道や福祉施設等の生活基盤等が整備されたこと、さらには美術館の建設や大学の誘致等により教育文化水準の向上が図られたこと、支所等の見直しやごみ処理場の整理統合等により行政執行体制の簡素・効率化が図られたこと、中核市移行等により市民サービスの向上が図られたことなどが挙げられます。 これらを踏まえ、40年の歴史を顧みますと、他に例を見ない広域多核都市として、その骨格づくりと市民の一体感の醸成を目指した歩みの中で、炭鉱の閉山や遠洋漁業の衰退といった幾多の試練を乗り越え、総体的に見れば、調和のとれたまちづくりが順調に進められてきたものと考えております。 ◆31番(樫村弘君) イとして、今後の展望についてお示しいただきたいと存じます。 ◎総務部長(猪狩正利君) 今後につきましては、合併によるこれまでの成果を踏まえ、激動する社会情勢の変化を見きわめながら、広域多核都市である本市の特徴を最大限生かすため、新・市総合計画に掲げる、地域を舞台とした市民主体のまちづくりを推進していく必要があるものと考えております。 そのため、市行財政改革大綱の目的である自主・自立の行財政運営の確立に向け、より簡素で効率的な行政執行体制の構築を図るとともに、市民の皆様を初め、産学官地の連携のもと、地域の特色を生かし、だれもが住み続けたくなるまち、元気なまち いわきの実現に全力を注いでまいりたいと考えております。 ◆31番(樫村弘君) 大きな質問の第3は、市のゴミ収集体制の見直しについてです。 本市が責任を負っている一般廃棄物の処理については、さまざまな課題があると思いますが、今回は、市の収集体制に限って質問したいと思います。 本市の分別収集は、現在、9分別13品目となっており、資源化に向けた取り組みが大分進められておりますけれども、中には、家庭にごみがたまり過ぎて保管が大変だとの市民の声を時々聞きます。具体的には、リサイクルするプラスチックの件ですが、現在、2週間に1回の収集となっておりますけれども、かなり量がたまるということです。量がたまるということは、裏を返せば、市の分別収集に協力しているというわけです。 そこで質問ですが、リサイクルするプラスチックの収集を現在の2週間に1回の収集から、1週間に1回と回数をふやすことはできないでしょうか。強く要望しながら、考え方をお伺いいたします。 ◎環境部長(上遠野洋一君) リサイクルするプラスチックにつきましては、平成14年6月の分別開始以降、収集の回数が課題となっておりましたが、家庭からのごみの排出状況の推移を見ると、資源化や減量化の進展とともに、燃えるごみが減少するなど、分別区分ごとの排出量が変化してきております。このため、今後は新たな財政負担が生じないことを前提に、全体的な収集体制の点検を行い、リサイクルするプラスチックの収集回数を見直すことについて、鋭意検討してまいります。 ◆31番(樫村弘君) 回答が、検討するだけではなくて、鋭意検討するということですので、前向きに取り組んでもらえるものかなと期待しておりますが、この件については、いろいろ聞いてみますと、回数をふやしてくれという実に多くの人の要望があるところでございますので、まさに名実ともに鋭意検討して、いい回答が出るように期待しながら、次の質問に移ります。 質問の第4は、首都圏災害時の緊急避難施設の誘致についてです。 実は、私が代表幹事を務めておりますいわき政経フォーラムは、去る6月30日に総会を開き、市政に対し、道の駅設置、団塊世代の招聘、首都圏災害時の緊急避難施設の誘致の3つの建設的な提言をすることを決め、7月31日に櫛田市長に要望書を提出しました。このうち、首都圏災害時の緊急避難施設の誘致についての提言内容は次のようなものです。 首都圏では緊急災害発生時には多数の死傷者が発生するほか、道路もパニック、最大の輸送は水路か海路となり、船舶を利用することも想定されます。幸い、いわき市には小名浜港などの大型船の発着ができる国際港もあります。背後にはまだ未利用地が残され、活用できるところはあります。平時は首都圏の休養・学習・体験施設として利用していただき、緊急時には避難施設に利用できれば、むだなく、また首都圏住民の安心・安全にも寄与できます。小名浜港からも、ライフラインに必要な水、食糧、他の物資の積み出し等で活用できます。首都圏の災害時の後方支援を受け持つことができれば、いろいろな施設の誘致が想定されます。これらは、国民の生命を守り、国・自治体災害時の手助けになります。いわき市が全国に先駆けて提案してくださいというものです。 ところで、去る7月27日、福島市で開かれたうつくしま地域間交流ネットワーク会議の初会合で、県内の市町村と交流している首都圏の区市町村の6割が、災害時の疎開先確保の必要性を認識していることが示されたということでした。この会合には本市からも職員が出席したということですが、疎開先の検討の着眼点は、1、移動の時間・距離が適当、2、同時被災がない、3、信頼関係が上位を占めており、こうしたデータを県内市町村の参考にしてもらいたいということでした。 アンケートは友好都市などの交流を災害時の協力にも役立てられるかどうかを探るために行ったもので、東京、埼玉、千葉、神奈川の4都県の区市町村で、本県内の市町村と交流している146自治体のうち、97自治体が回答したもので、疎開先の確保状況は、確保している16、検討中2、将来的な課題としている41、その他38となっており、中央防災会議の首都直下地震対策大綱では、避難所への収容者を減らすための疎開の奨励・あっせんを明記しており、必要性の認識が高い割合になっているということです。 疎開先を確保している16自治体の決定理由は、友好都市協定などによる縁が14で、圧倒的な割合。疎開先の着眼点では、66自治体のうち、移動の距離や時間が適当を選んだのは28、同時被災がないは23。首都圏と二、三百キロに位置する本県は多数を占めた着眼点に適合しているということで、本市もぴったりではないでしょうか。 そこで、次の各点について伺います。 1点目は、うつくしま地域間交流ネットワーク会議の会合をどう評価されるかについて伺います。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) うつくしま地域間交流ネットワークは、日常的な地域間の交流の積み重ねが災害時の相互の助け合いに大きな役割を果たすことから、県内市町村や民間団体が、首都圏との交流を促進するための情報交換、情報発信の場として、県により設立されたものでございます。 今後、県では、ホームページを利用し、県内外へ情報を発信するほか、県内でのシンポジウムの開催などを予定しているとのことでございますが、本市といたしましても、積極的にこれに参加してまいりたいと考えております。 ◆31番(樫村弘君) 2点目は、本市は震災時疎開先に適合すると思われますが、どうでしょうか伺います。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) 本市は、大規模地震などにおきまして、首都圏との同時被災は考えにくいこと、また小名浜港を活用した海上の輸送が可能であること、さらには首都圏からの移動の時間や距離を考慮いたしますと、いわゆる震災時疎開先としての可能性を有していると考えております。 ◆31番(樫村弘君) 3点目は、首都圏自治体との交流の現状を踏まえた今後の方針について伺います。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) これまで本市といたしましては、首都圏の各都市とは、観光誘客や物産紹介などを中心とした交流を行ってきた経過がございます。今後におきましては、より幅の広い交流の可能性について、さらに検討してまいりたいと考えております。 ◆31番(樫村弘君) いわき市は、国際的にはタウンズビルとか、あるいは中国の撫順、そして国内ではもとの岩城町や延岡市などとの交流を進めておりますが、首都圏との友好姉妹都市であるとか、そういうのはちょっと今のところはないんじゃないかなと思います。 ただ、いわき市の統計という本を見ますと、いわき市の人口動態から見ますと、やっぱり首都圏との交流、いわき市から首都圏に移動する、あるいは首都圏からいわき市に来るというのが何といっても圧倒的に多いところで、事実上は、いわき市は首都圏といろいろな意味で大変身近な関係にあるわけでございます。 いわき市の特徴は、よく4つのいにあるなどとも言われております。首都圏と近いのい、面積が広いのい、そして山も川も自然も美しいというい、そして土地の値段が安いというい。近い、広い、美しい、安い、この4つのいがあるわけでございますから、いわき市の人口の増加、そして交流人口の拡大などを考えますと、こういうものを誘致することは大変有意義じゃないかなと思いますが、そこで4点目として、本市振興のためにも、首都圏の自治体に緊急避難先誘致を今後アプローチすべきと思いますが、いかがでしょうか伺います。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) 既に県内におきましては、首都圏の各都市との間で、災害時における相互応援協定を締結している自治体もございます。本市といたしましては、これら先行事例の調査・研究を行いますとともに、先ほど申し上げましたうつくしま地域間交流ネットワークの活用や、さらには首都圏在住のいわき市ゆかりの方々などからの情報の収集に努めながら、今後検討してまいりたいと考えております。 ◆31番(樫村弘君) ぜひ積極的に検討していただきたい、そう要望しながら、次の質問に移らさせていただきます。 質問の第5は、今話題の団塊の世代の招聘と地域活性化についてです。 この件については本市内外でもさまざまな動きがあり、海外でも日本の団塊の世代などへの誘致の動きが具体化しているということでありますが、私たちいわき政経フォーラムも、先ほど申し上げましたように、いわき市への誘致を市長に提言したところでございます。 7月19日付の朝日新聞連載、分裂日本、新しき富者でも、税負担嫌い、永遠の旅と題し、尊敬されるNYやハワイ楽しみ転々、預金1億円、利息で暮らす・日本信じぬ、金持ち歓迎各国熱視線、経済貢献できる人どうぞ、カナダやニュージーランド人気、年金・医療に不安・帰国は財政再生の後・現役世代も脱出などの見出しが並んでおります。 さらに、団塊世代の大量退職をにらんだアジア諸国の日本人誘客競争は激しい。台湾は2月に、日本人の定年退職者に180日の滞在を認めるビザを創設し、マレーシアも3月、長期滞在ビザを5年から10年に延長した。メリルリンチ日本証券によると、日本で100万ドル、約1億1,700万円以上の金融資産を持っている人は、05年末で140万人以上と、5年で3割増。ちょっと信じられないような話でございますが、世界の約16%を占める第2位の富裕層大国として、熱い視線を浴びているとも記されております。この記事は、今話題の団塊の世代のことだけではないようでありますけれども、団塊の世代のニュースは連日のようにマスコミに報じられております。 さて、去る8月23日に、第一ホテル東京で開かれた平成18年度いわき市在京・地元各界交流の夕べに先立って行われた平成18年度第1回東京発ふるさといわき元気セミナーに私も出席、NPOふるさと回帰支援センター常務理事・事務局長の高橋公氏のいま、なぜふるさと回帰運動なのかと題した講演も興味深く聞いてまいりました。 さて、来年を皮切りに、700万人とも言われる団塊の世代が順次定年退職を迎えます。これまで仕事や生活に追われてきたこれらの人々の中には、地域に貢献したい、人の役に立ちたい、自分の知識や能力を人に教えたいといった欲求を持っている人も少なくないわけですけれども、一方で、これまで地域とのかかわりがほとんどなかったこれらの人々にとって、どのように地域と接し、何をすればよいか見当もつかないといった声も聞かれます。 自分のふるさとに戻る場合でも、ふるさとは遠きにありて思うものと結局は感じることになってしまうのかもしれませんし、故郷という歌にあるように、志を果たして、いつの日か帰らんという思いを捨て切れない人もいらっしゃるかもしれません。まして、故郷以外への移住となれば、簡単に決断するわけにはいかないのが実情だと思います。 しかし、地方都市にあっては、首都圏などに住む人の団塊パワーの可能性を引き出すことは、地域活性化にも役立つことから、幾つもの課題、問題点、例えば定年を迎えた人が来ると、高齢化になお一層拍車がかかってしまうのではないかとか、具体的にはどうすればいいんだとか、いろいろな問題点があるわけでございますし、またいわき市でも今月25日ですか、新たな動きもまたあるとか、さまざまな動きをしていることではございますが、全世界、全国各地でさまざまな団塊世代を我が方に誘致しようという運動が展開されているのもまた事実でございます。 そこで、次の各点について伺います。 1点目は、団塊世代について、どう認識されているのか伺います。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) 団塊の世代は、1947年から49年にかけて、いわゆる第1次ベビーブーム期に生まれた世代であり、総人口の約5%を占めるとされております。 昨年度、国土交通省が三大都市圏の団塊の世代を対象に実施いたしました、団塊の世代の今後の暮らし方・住まいに関するアンケート調査によりますと、東京圏に住む約4割の方々が地方都市への居住を希望していると言われております。こうしたことから、これまで培ってきた知恵、経験、技術、あるいは情報や人脈等を有する団塊の世代を積極的に本市に迎え入れることによりまして、本市の産業、経済、地域の活性化が図られるものと認識しているところでございます。 ◆31番(樫村弘君) 次に、2点目でございますが、団塊世代の招聘についての各地の動き、ただいま申し上げましたように、全世界的に、また全国的にさまざまな動きがあるわけでございます。それらについてどのように把握されているのでしょうかお伺いいたします。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) これも同じ昨年度、国土交通省が実施いたしました調査によりますと、全国の都道府県のうち、34の道府県におきまして、団塊世代を対象とした定住あるいは二地域居住などの取り組みがなされているとの調査結果が出ております。 各地における主な取り組みといたしましては、ホームページやイベント等による情報発信、あるいは定住、就農を初めとするさまざまな活動の場の提供、そして空き家情報の提供などとなっております。 ◆31番(樫村弘君) 3点目でございますが、本市のこれまでの取り組みについて、どのようにされていたのでしょうか伺います。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) 今年度、ようこそ「いわき」推進事業といたしまして、本市の魅力を広くPRするシティセールスの観点から、パンフレットやホームページの作成などに取り組んでいるところでございます。 また、去る8月23日に開催いたしました在京・地元各界交流の夕べにおきましては、本市の最新の情報を提供するとともに、今後のシティセールスに向けたアンケートを実施してきたところでございます。 さらには、東京のNPO法人ふるさと回帰支援センターと連携を図りながら、ふるさと回帰希望者の相談にも具体的に応じてきております。 なお、県におきましても、地域づくり団体等との連携・協力のもと、ふるさと回帰希望者を対象といたしまして、田舎暮らしを体験するプレIターン事業や定住・二地域居住お試しプログラムなどを実施いたしておりますので、市といたしましても、このような県の取り組みとも十分連携を図ってまいりたいと考えております。 ◆31番(樫村弘君) 実は、私はいわき地域学会の会員でもございますが、先日、そのいわき地域学会で講演会がございました。その講師の方に大変味わいのある講演をしていただきました。その方が言うのは、次のようなことでございました。 日本は明治以来、棄郷をしていた。そして、最近になって帰郷の意識がふえてきたという話でございまして、同じキキョウでございますが、明治以来、日本の産業政策、さまざまな政策の中で、そのキキョウのキはすてるという棄でございます。ふるさとを捨てる、多くの日本人がふるさとを捨てて大都会へと群れをなして出ていった。それは、仕事やさまざまなことを求めて、東京などを中心とした大都会に出ていった。ふるさとを捨てた時代であったと。しかし、最近になって人の意識が変わりつつある。それは捨てる棄郷ではなくて、ふるさとに帰るという、あの歌もございますが、ふるさとに帰るという意識、つまり帰郷、捨てるふるさとから帰るふるさと、それがいわゆる田舎への回帰ではないのかという話でございまして、私はその話を聞いて、ああ、なるほどなと思った次第でございます。多くの日本人がふるさとを捨てて都会に行った。その人たちが、もう一回ふるさとに戻りたい、そういう気持ちはごく自然にわかる気持ちでございます。 先ほど申し上げましたが、ふるさとは遠きにありて思うものというあの詩を聞くと、私は涙が出るような思いでございます。ふるさとに戻れば、やっぱりふるさとの現実に触れて、やっぱり遠くで思うべきものだったのかなと思いながらも、人はふるさとを捨てられないものだろうと思います。 そして、先ほども申し上げましたが、故郷というあの歌でございます。兎追いしかの山、小鮒釣りしかの川という、その心境でございまして、そして、志を果たしていつの日か帰らんというあのすばらしいあの歌でございますが、そういう意味では、特に思うのは、いわき市を離れて都会に住んでいる人たちが、いつかふるさといわきに帰って、いわきの人のために役に立ちたい、いわきのために働きたい、そして自分が生まれ育ったふるさといわき市に住みたい、そういう思いはいかばかりかと思う次第でございます。 先日も、在京経済人会議に行って、そしてその前も行ったときも、何人の方にも言われました。おいらはふるさといわきに戻りたいんだけれども、実際戻ってどうやったらいいんだかわからない。行っても、住むところからどうしていいかわかんない。仕事はあるんだろうか。人は温かく迎えてくれるんだろうか。しかし、いつも思い出すのはふるさといわき市のあの美しい山であり、川なんだという話を、涙ながらに何人かの方が私に訴えていたことを強く思う次第でございます。 特に、全国のいわゆる団塊の世代をいわき市に呼ぶなんていうことになったら、680万人も700万人もいるわけですから、それはそれは大変なことだとは思いますが、私たちはいわき市民として、特にいわき出身のそういう方たちがこのいわき市に戻って、ああ、やっぱりふるさとはよかったと。そして、いわき市のためにさまざまな面で活躍できたら、いわき市の活性化にもなる、私たちのためにもなる、このいわき市、すばらしいいわき市づくりにもなる、そんなことを念願しながら、最後の4点目としまして、本市の今後の対応についてお示しをいただければと思いますが、市長、いかがでしょうか。よろしくお願いします。 ◎市長(櫛田一男君) まさに議員、詩人でありますし、芸術家であろうかと思いますが、そのふるさと志向というものは、私は数年前に南米ブラジル、アルゼンチン、あの辺で福島県人会のセレモニーに参加した経緯がございますけれども、あのブラジルの広い地域から集まってくる人々、福島県人でありましたが、忘れがたきふるさとというあの歌を、ステージの上で25回から30回、エンドレスで歌っております。最後の15回以上は、みんな涙ながらにして肩を組んで歌っている姿を見たら、やはりふるさとという思いは、つらいときに外国に行った方々ばかりでありましたので、特に強いかと思いますが、先ほど議員おただしのふるさとを捨てる棄郷、これがふるさとに帰ってくる帰郷、この変わり目、潮目の時期が今かなと思っておりますけれども、その団塊世代にもいろいろ考え方があろうかと思います。 もう既に今まで企業戦士としてやるだけのエネルギーを全部費やして仕事に没頭した。今後はのんびりしたい。まだまだ元気があって、ノウハウも、それから人脈も持っている方々は、ここにいながら、東京あるいは外国と交流を重ねながら、産業の発展に努めていきたいという方々、それから健康上の理由で空気のきれいな海岸線、特にいわきの海岸線なんかはいいんではないかと思っている方々、それから山合い、こういった多種多様の団塊の世代を総合的に受け入れるということになりますと、ただいま企画調整部長が答弁申し上げましたとおり、いろいろな施策の中でいわき市のよさを発信していく。 そして、一番の問題は、いわき市に行ったら、もう気候状況その他はもう既に承知しておりますけれども、まず文化のレベルの高さが大きな問題になってくるんだろうと言われております。その点では、我々は文化交流施設を立派なものに仕上げながら、世界に通用する文化のレベルでお迎えすることができるんではないか。 さらに、医療機関でありますけれども、これからさらに皆さんと一緒に汗を流しながら、いわき市内の医療機関を全体で完結できるような、完成に近いようなところまで作業を進めてまいりたいと思っておりますし、教育レベルの点につきましては、団塊の世代はもう子育てが終わった段階でありますので、これらは別といたしましても、総合的についの住みかはいわきがいいというところを考えてゆきたいというふうに、私は政治の一部の考え方ではなく、市民生活全体の中でそんなことを考えてゆきたいと思っております。 ○副議長(鈴木利之君) ここで、午後4時55分まで休憩いたします。            午後4時44分 休憩           ------------            午後4時55分 開議 △佐藤和良君質問 ○副議長(鈴木利之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。12番佐藤和良君。          〔12番佐藤和良君第二演壇に登壇〕 ◆12番(佐藤和良君) (拍手)12番市民クラブの佐藤和良です。ただいまより一般質問を行います。 冒頭、去る8月15日の加藤紘一元自民党幹事長宅放火事件について、一言申し上げます。 この事件は、加藤氏の言動を敵視する者が暴力によって自由な言論を封じようとした政治テロであります。 思い起こせば、戦前、右翼テロによって多くの政治家が襲撃され、政党政治が形骸化して、日中15年戦争に突入しました。自由社会の基礎は言論の自由であります。自由な言論が暴力によって封じられれば、民主主義は死に、戦争がやってくることを歴史は証明しております。 私は、平和と民主主義を守るために、言論の府、議会の一員として、この許すことのできない卑劣な政治テロを厳しく糾弾するものであります。 それでは、通告順に従い質問いたします。 第1点は、鹿島地区浸水対策についてであります。 6月15、16日の梅雨前線豪雨は、2日間で200ミリの雨量を観測し、市内各地で農道やため池等の農林業施設、道路や河川などの土木施設、農作物など、合わせて約3億400万円の被害を記録しました。鹿島地区では、主要地方道県道小名浜平線、通称鹿島街道が冠水、一時通行どめとなり、55世帯に床上・床下の浸水被害が発生しました。 1点目は、6.16豪雨水害の原因と対策についてです。 まず、浸水被害の状況はどうかお尋ねいたします。 ◎下水道部長(佐々木仁君) 去る6月15日から16日にかけての梅雨前線に伴う豪雨による鹿島町久保地区の被害の状況につきましては、主要地方道小名浜平線の約350メートルの区間が冠水し、3時間半にわたって通行どめとなりました。 また、久保二丁目・三丁目の約6ヘクタールの区域において、市道久保林城線など、13の路線が一時通行どめとなったほか、床上浸水8世帯及び床下浸水47世帯、合わせて55世帯の家屋被害が発生しております。 ◆12番(佐藤和良君) 6月16日はちょうど6月議会中でありました。私は、委員会終了後、現地で水防作業に協力しつつ、被害状況を調査したところでございますが、被災者宅の壁や塀に水位の跡がくっきりと残っておりまして、被災者の方々は口々に、船戸川があふれ、あっという間に水が来た。畳を上げるのが精いっぱいだった、腰まで水につかった、家に私一人しかいなくてどうすることもできず、涙が出てきたと、初めての浸水被害、床上浸水に大きなショックを受けておりました。 それでは、こうした浸水被害の原因をどう分析しているかお尋ねします。 ◎下水道部長(佐々木仁君) 原因につきましては、今回の豪雨が過去10年間でまれに見る降雨量であったことから、二級河川矢田川の水位が計画高水位近くまで急激に上昇し、鹿島町久保地区内へ河川水の逆流が発生したものであります。このようなことから、被害を最小限に食いとめるため、船戸水門を閉鎖した結果、当地区内の自然流下による雨水排除が一時的に不可能となり、浸水被害が発生したものと考えております。 ◆12番(佐藤和良君) 今、お話がありましたとおり、鹿島久保・船戸地区はたびたび水害に遭っておりまして、隣の御代ポンプ場設置によりまして、強制排水あるいは久保地内船戸川に水門を整備しながら、この間、しのいできたわけでございますが、矢田川の計画高水位より低い地域がありまして、昭和61年の水害以来、矢田川の堆砂除去、あるいは船戸川ポンプ場の建設というような要望が出されていたわけでございます。 次に、ハード・ソフト面含めまして、今後の対策はどうなっているかお尋ねいたします。 ◎下水道部長(佐々木仁君) ハード面の対策につきましては、これまで、市において鹿島町久保地区内の雨水排水施設の点検清掃や土のう積みによる船戸1号雨水幹線堤防のかさ上げを実施するとともに、福島県においても、現在、二級河川矢田川の除草や堆砂除去を施工しているところであります。 また、恒久的な対策といたしましては、ポンプ場の建設を考えておりますが、このポンプ場が完成するまでの間、年内に仮設ポンプ場を設置し、対応してまいります。 次に、ソフト面の対策につきましては、二級河川矢田川の水位上昇を早期に把握するための自動通報システムの導入及び地区水防部との連携を図るなど、地域と一体となった監視体制の強化に努め、非常時に即応できる体制を整えてまいりたいと考えております。 ◆12番(佐藤和良君) 2点目は、船戸ポンプ場建設の見通しについてであります。 7月末、被災住民を初め、該当行政区、鹿島区長会、鹿島地区地域振興協議会、鹿島商店事業者会など、地元の代表が市長を訪ねまして、船戸ポンプ場の建設を要望したところでございます。恒久的対策の船戸ポンプ場建設の具体策はどうなっているかお尋ねしたいと思います。 ◎下水道部長(佐々木仁君) 船戸ポンプ場の建設につきましては、現在、調査・設計を実施するとともに、事業計画について、国・県と協議を進めているところであります。 ポンプ場の具体的な規模につきましては、毎秒6.5立方メートル程度の排水能力が必要となりますことから、これに対応するためのポンプを設置する計画としております。 また、今後は、本年度中に国の補助事業としての認可を取得するとともに、平成19年度より土木工事に着手し、その後、建築工事、ポンプなどの機械・電気工事を実施することになりますが、工事着手から5カ年以内での完成を予定しております。 ◆12番(佐藤和良君) 市長を初めとしまして、下水道部、関係各部局の対応に感謝を申し上げたいと思います。なお、円滑な進行管理を要望いたしまして、次に進みたいと思います。 大きな第2点は、市立保育所の民間移管についてであります。 先日、民営化取り消し訴訟で民営化時の保護者説明や手続など、性急過ぎる民営化手続が違法と判断されました横浜市に伺いまして、民間移管第1号の保育園で、移管先法人の理事長さん、園長さん、主任保育士さん、そして横浜市の担当者と懇談してまいりました。わずか1カ月間の引き継ぎ保育、半年間の保護者との厳しい関係、子供たちの心の不安、保育者としての悩みなど、嵐の6カ月の貴重な体験をお聞きしてまいった次第でございます。 こうした移管の困難を乗り越えたのは、この移管先法人が産休明け乳児保育を30年間やってきた、そうした保育の実績と、保育士さんたちの子供たちに対する深い愛情、そして両者が強い使命感を持ってこの移管を引き受け、手を挙げたということのようでございます。まさに移管先法人の選定が保育の質を決め、移管そのものの帰趨を決するという事実を目の当たりにしてきた次第でございます。 横浜市の民間移管検証結果では、3カ年で2億7,700万円、約18%の運営費縮減、156人の職員定数削減とされておりますが、その裏で、移管先法人は単独で赤字であるというお話をお聞きしました。公立の人件費削減が私立の安い人件費に依存している実態がかいま見られたわけであります。やはり人を育てる児童福祉は、市場原理主義による民営化万能論では片づけられない事業ではないかと思った次第でございます。 1点目は、保育所整備方針の決定過程と市民意見の反映についてであります。 2月定例会では、今後は社会福祉審議会の答申内容を尊重し、保育サービスや保育環境のさらなる充実を図るための整備方針を決定したいとの説明でしたが、その後、整備方針の公表はなく、答申によって説明が行われております。まず、子供の未来がかかっている重要施策の具体化について、今回の決定過程は十分かつ慎重な手法と言えるのかどうかお尋ねいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 保育所の民営化につきましては、平成16年10月のいわき市における保育所整備のあり方についてにより基本的な考え方を答申いただき、そして、さらに平成18年2月には、いわき市における保育所整備の具体策についてにより、具体的な答申をいただくなど、2年度にわたる慎重な審議を経た答申の内容に沿って行おうとするものであります。また、これら2つの答申をいただいた諮問機関には、保護者会の代表者を初め、民間保育所関係者や学識経験者などに参加をいただき、各方面の意見が反映されているものと考えております。 今後は、さらに多くの意見を反映させるため、現在、民営化の対象となる保育所の保護者の方々や、移譲を受ける法人立保育所の方々などの意見の聴取を行っているところであります。 ◆12番(佐藤和良君) 整備方針、決定過程については、そういう積み上げがあったという説明だと思うんですが、本市には、行政に市民の意見や要望を反映させ、行政の意思決定過程における市民参画を進めるために、市民意見募集・パブリックコメント制度を活用するという基本方針があるわけですけれども、保育所整備方針について市民意見を求めないのはなぜなのか、これをお尋ねしたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) ただいまお答えいたしましたとおり、保育所の民営化につきましては、2年度にわたる慎重な審議の結果いただきました答申に沿って行うものであり、現在、対象保育所の保護者等から意見を聴取しながら進めておりますが、今後も必要に応じてパブリックコメントなども含め、関係者の意見反映に努めてまいりたいと考えております。 ◆12番(佐藤和良君) 計画素案の段階から市民意見を反映させるというのがパブリックコメント制度の基本趣旨だと思うんですね。そのことをやっぱりないがしろにしているんではないのかなと思うんですが、今の答弁では、ちょっと何か外されたような感じがするんですが、再度答弁を求めます。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 民営化は平成21年度に開始の予定でございます。それまでの間、さまざまな形で御意見をお聞きしながら、より円滑に実施できるような方法を決定してまいりたいと考えております。 ◆12番(佐藤和良君) 地域の保育園というのは、地域の子供たちを地域の大人が本当に一生懸命はぐくんできたそれぞれの地域の歴史が刻まれているんじゃないかと思うんですね。やっぱりそういうことからすれば、市民の意見を求めて、市民の参画を図って、地域の歴史、社会的な背景を踏まえて、未来を担う子供たちをはぐくんでいくというのが真っ当なやり方ではないか。先に決めてしまって、素案は提示しないけれども、あと時々話を聞くからいいよということでは、本当に地域で子供を育てていくんだ、本当に子育てを支援していくんだというところからすると、ちょっと残念な気がいたします。 どうも平行線のような感じがしますが、先ほどは適宜パブリックコメントも求めるという言葉もあったようですので、そのことは議会の答弁として、きちんとパブリックコメントをやっていくということを確約いただきたいと思うんですが、どうでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 先ほど申し上げましたとおり、今後も必要に応じまして、パブリックコメントなども含めて関係者の意見反映に努めてまいりたいと考えております。 ◆12番(佐藤和良君) それでは、2点目は保育現場の意見についてであります。 平成21年度移管対象施設の4施設、それから統合対象の2施設を見学して、お話を伺ってまいりました。保育士さんたちからは、答申の前になぜ話を聞いてくれなかったのか。悲しいという言葉だったんですね。悲しいという、これはちょっと私もびっくりいたしました。やっぱり子供とともに暮らして、子供の心に寄り添ってきた保育士さんたちならではの言葉なのかなということで、私もぐっとくるものがありました。 いろいろお話を伺いましたら、こんなような意見をくださったわけでございます。あるところでは、地域で1つしかない公立がなくなったら、公立の選択肢がなくなるんじゃないか。あるいは、障がい児保育の加配はどうなるのか。人件費削減で経験の少ない若い保育士さんばかりになったら、親御さんへの教育的指導は十分にできるだろうか。あるいは、夏のプール利用が毎日から2日に1回になるのではないか。経費削減の余り、給食で献立表と違うものが出たり、しゅんの食材を使えないのではないか。はたまた実費名目で保育料以外の料金徴収の心配もあるのではないか。いろいろ本当に子供たちと一緒に寄り添ってきた保育士さんならではの心配がいろいろ出されました。 そこで、こうした公立が培ってきた細やかな配慮や継続性など、保育の質は民間移管で確保され、高められるのかどうかお尋ねいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 公立保育所も民間保育所も、基本的には認可を受けた児童福祉施設として、法に定められた保育サービスを提供する施設であることについては変わりないものと考えております。 民営化に当たりましては、公立が担ってきた役割を引き継いでくれる法人を選定することとし、十分な引き継ぎ期間を設け、質やサービスの確保を図ってまいりたいと考えております。 ◆12番(佐藤和良君) 横浜市の例ですと、横浜市内だけの社会福祉法人を対象にしているわけじゃないんですね。全国どこからでも応募できると、つまりは先ほども申し上げましたように、どういう法人さんが引き受けるかによって全然質が変わってしまうということですから、やっぱり選定の場合に相対的な評価でなくて絶対的な評価で、到達しない場合は例えば選定しないということも含めてやっていかないと、保育の質というのが本当に確保されないという実態はやっぱりあると思いますね。ですから、ここはこの議論だけではちょっとなかなか出てこないとは思いますんで、今後とも、保育の質についてはきっちり確保するという立場でやっていただきたいと思うんです。 それから、こんな声も出されております。民間移管によって、職員は異動で何とか対応できるんじゃないか。ところが、実際待遇が悪いのに、職員と一緒に仕事をしてくれている臨時雇用の保育士さんの雇用はどうなるんだろうかという心配も出されているんですね。保育士さんの雇用保障はどうなるのか、次にお尋ねしたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 現在雇用している臨時保育士の継続雇用につきましては、民営化を実施する段階で十分配慮してまいりたいと考えております。 ◆12番(佐藤和良君) 十分配慮の中身はどういったことなんでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) これまで市ではさまざまな民間委託を実施してきております。民間移譲、民間委託とありますけれども、徳風園の例で申し上げますと、これまで勤めていた方に新たに決まった法人での就職はどうですかというぐあいに勧める、そんな形で対応してきております。 ◆12番(佐藤和良君) 他の移管の例などを見ますと、新法人に雇用していただくということを自治体側でかなり条件的にも入れるということもあるようですから、そういうことも含めて対応していただければと思います。 先ほどから申し上げておりますように、子供と一緒にこれまで暮らしてきている保育現場の保育士さんたちは、私がお会いした中では、押しなべて本音では民営化は反対だと申しておりました。そういう声が圧倒的でございますので、そうした保育現場の声をどう施策に反映させていくのかお尋ねしたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 現在、民間移管の対象となる保育所やその保育所長会などにおきまして、現場の声を聴取しているところでありますが、今後も民営化を進めていくさまざまな段階において、引き続き現場の声を聴取しながら、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆12番(佐藤和良君) 私が回ったところでは、そういう反対論の方が強かったんですが、部長の方では声はどんなふうに掌握しておりますでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) もちろん反対するような声も聞いていないわけではございません。ただ、説明をしていく中で、前にも議会でお話しさせていただきましたが、このまま少子化が続けば、公立と民間の間で児童を取り合うような状況になると。そういったふうな説明の中で、やむを得ない対応かなというふうな声も聞いております。 ◆12番(佐藤和良君) そうすると、やっぱりトップでこう決まった、あるいは審議会でこう決まった、だからこれをおやりなさいという方針は方針としてあるにしても、やっぱりそれを現場から積み上げて、現場も同意をする、合意をするという中でやっていかないと、これは行政運営上もぎくしゃくしたものになると思うんですね。そういう配慮はいかがですか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 実際に現場で運営、タッチしているのは保育士さんなり調理員さんですから、当然、そういった方の御意見を尊重することは当然なことと思います。 ただ、市政を運営していく中で、進める方針というものも、そういった現場のお話とはまた別に決めていかなければならない、そういった事情もあるのかと考えております。 ◆12番(佐藤和良君) 計画決定のところでも、市民意見は特に聴取しない。今回も現場の声は聞かないということでは、やっぱり最初から事を荒立てるような方向になってしまうんで。全国公立保育所1万2,000何がしのうち昨年の4月で800強を民営化したという話ですよね。そういう中で、裁判まで起きているということがあるわけですから、やっぱり慎重の上にも慎重に運営していくというのが行政としての立場だと思うんです。その点では、現場の声にやっぱり真摯に耳を傾けるという立場で臨んでいただければなということを要望して、次に進みたいと思います。 3点目は、質の高い保育を公平に提供する保育の公的責任についてであります。 我が国では、少子化対策が叫ばれながら、保育所運営費を一般財源化するなど、国の宝である子供たちの保育予算を削るという実に嘆かわしい実態があります。保育所の民間移管は、国の保育所財政縮減の直撃を受けた自治体の財政的事情によるもので、子供の利益が最優先された施策とは言いがたいのではないかと思います。行政は、子供たちの感性と知性、社会性、人間の生きる力を育てる児童福祉事業である保育の公的責任を果たさねばならないと思います。 そこで、子供にとっての最善の形を目指すという児童福祉法の原点に立ち返って、保育の公的責任を明確にして、公立保育所の存在意義を示すべきではないかお尋ねいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 児童福祉法においては、市町村は、保育に欠ける児童を保育所において保育しなければならないと定められており、本市では、公的責任として、7つの地区保健福祉センターにおいて、もちろん民間保育所も含めて、児童の入所決定を行っております。 なお、公立保育所も民間保育所も、基本的には認可を受けた児童福祉施設として、法に定めた保育サービスを提供する施設であることについては変わりないものと考えております。 ◆12番(佐藤和良君) 公立・私立を含めて、地域的な連携、子育てネットワークをつくっていく上で、やっぱり公立の存在意義というのは大きいと思うんですね。ちょっとそこは時間の関係でこの程度にしまして、実際、横浜市の民間移管検証結果でも、こども局として、保育園の保護者に十分な理解が得られなかったということを言っているわけです。そういう意味では、横浜地裁の判決でも、保護者の保育所選択権、保育を受ける権利ということを言っておりますんで、民間移管の法的な問題というのはかなりございますから、今後、市立保育所の民間移管については、民営化ありきではなくて、慎重に対処すべきでないか。 その意味で、答申の実施時期に固執しないで、保護者・市民の合意なき民営化移管は強行しないことを明確にすべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 民営化に当たりましては、答申において、保育所に入所する児童の保護者や地域住民など、市民の皆様の十分な理解を得る必要があるとされておりますことから、民営化の実施に際しては、答申どおり、市民の皆様との合意の形成に努めながら、事務を進めてまいりたいと考えております。 ◆12番(佐藤和良君) あくまでも保護者・住民の合意ということで進めるということを前提にしていただきたいと思います。 以上申し上げまして、私の一般質問を終わります。(拍手)        ------------------- △延会 ○副議長(鈴木利之君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(鈴木利之君) 御異議なしと認め、延会することに決しました。 明日は午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日はこれにて延会いたします。            午後5時26分 延会           ------------...